ミリオンの○×△□

ミリオンの○×△□

『ミリオンの○×△□』は、金田一蓮十郎による日本の漫画作品で、『月刊少年ガンガン』（スクウェア・エニックス）にて2010年3月号から2012年8月号まで連載されました。各話は「bug.○」（○は数字）という形式で区切られています。

あらすじ

主人公の結城目は、亡くなった祖父の遺品整理中に、奇妙な黒い本を発見します。その本の中から現れたのは、願いを叶える力を持つという謎の生物、ミリオンでした。ひょんなことから、結城目はクラスメイトの山田を生き人形にしてしまい、彼女を元に戻すために魔法を学ぶことになります。

主要な登場人物

結城目（ゆうき さがん）

本作の主人公。ごく普通の平凡な中学2年生でしたが、祖父の遺品からミリオンを呼び出してしまいます。クラスメイトの山田を生き人形にしてしまったことをきっかけに、魔法の世界に足を踏み入れます。クリスエス学院では、ミリオンの魔法のおかげでトップクラスに所属することになります。ゲーム好きで、説明がないと物事の本質に気づけないなど、理解力に乏しい面もあります。山田が暴走した結果、クラスメイトの一部からは山田と交際していると誤解されています。ニュースへの関心が薄く、誘拐事件が魔法絡みだと気づくのが遅れることも。

ミリオン

自称大魔導士。結城目の祖父が所有していた黒い本から現れた謎の生物で、陽炎のような姿をしています。普段は左目を閉じていますが、悪意を見せる際には開眼し、恐ろしい表情になります。名前は所有者が決めることができ、結城目の祖父が以前の所有者でした。基本的に所有者以外の人間には姿が見えませんが、動物には見えるようです。犬が苦手。気まぐれで適当な性格ですが、結城目にわざと生き人形の魔法を使わせるなど、底知れない一面も。魔法の実力は非常に高く、軽いものから強力なものまで使いこなします。過去に祖父から「本の中で待つように」と言われ、忘れ去られたことから強い孤独感を抱き、一緒に遊んでくれる人間を探していました。共にいる陽炎のようなものは、孤独を紛らわすために作り出した分身です。4巻では、8歳程度の少女の姿に変身する能力を披露しますが、変身中は結城目に負担がかかるようです。人型時は女性で、他の人にも姿が見えるようになります。通常のリズムで術を使いつつ、ステップで別のリズムを刻むことで、同時に異なる術を発動させることができます。祖父がミリオンの本当の持ち主ではなかったことが後に判明し、戦災で手放された本を偶然手に入れただけだったという真相が明らかになります。

山田真終（やまだ マフィン）

結城目のクラスメイトで、テニス部に所属する明るい少女。誰にでも優しく、結城目が密かに想いを寄せています。自身の名前にコンプレックスを抱いており、からかう相手には嫌悪感を抱きます。ミリオンによって「恋のおまじない」と称した生き人形の魔法をかけられ、結城目の命令にしか従えなくなってしまいます。普段は結城目の「普通に生活するように」という命令に従っていますが、感情がないため「笑う」ことができません。自意識はないものの、過去の記憶や生活習慣は残っているため、最低限の生活は問題なく行えます。結城目と常に意識が繋がっており、命令や願望を受けると、それを実行しようとします。しかし、その行動は不安定で、結城目が傷ついた際には命令を無視して相手に反発したり、散財を嘆く結城目を気遣ったりします。周囲には結城目と交際していると誤解されています。孤独な日々を送っており、そのことを隠そうとしています。シスの協力によって魔法から解放され、生き人形状態でも自我が残っていたことを知ります。生き人形にされたことを悪く思っておらず、魔法の世界を知ったことで、ミリオンに弟子入りすることを決意します。

クリスエス学院

ギルドによって運営されている魔法学校。魔法の実力によってクラス分けがされます。トップクラスは非常に優遇されています。

ペトル

C校舎のトップクラスに所属する新入生。引きこもりがちで、暗い性格ですが、思ったことは率直に言います。魔法の商人協会で手伝いをしており、ルーツ出身のため、魔法の扱いに長けています。生き人形の魔法を解くために結城目に呼び出され、クリスエス学院への入学を勧めます。

スカーレット

C校舎の生徒会長。女性ですが、力が強いです。責任感が薄く、事件に巻き込まれることを嫌がります。

カシス

C校舎の生徒副会長。男言葉で話し、20代前半です。実技のお詫びとして、結城目たちを気にかけています。

バルト

C校舎の書記。小柄で無表情な少年。口が悪いため誤解されやすいですが、親切で世話好きです。感謝されることを嫌います。

セン

C校舎の生徒で、トップクラス所属。好戦的な性格で、喧嘩っ早い問題児。術を使う際に、目をつぶって首でリズムを刻む癖があります。

ロディ

C校舎の生徒。無口で無表情ですが、好戦的な性格です。

エナ

C校舎の生徒。小柄で冷静な性格で、魔法に関する知識が豊富です。髪飾りの蝶を副生き人形としています。

のぞみ

C校舎の生徒。好戦的な性格で、思ったことを率直に言います。

シス

トップクラス唯一の老人。長年魔法使いに仕えており、免許は持っていません。生き人形は小鳥ですが、密かに蜘蛛を副生き人形にしています。時間を奪うために誘拐事件を起こしていましたが、結城目のスペルを奪おうと企みます。後に復活し、ミリオンに協力を求めます。

その他の人物

平山（ひらやま）

結城目のクラスメイト。ナルシストな性格で、山田にアプローチをかけていますが、相手にされていません。

ミミム、ミミノ

ミリオンが作り出した分身。細長い影のような姿をしています。

結城愛（ゆうき めぐみ）

結城目の姉。高校3年生で、弟に厳しく当たることが多いです。

モコ

結城家の飼い犬。ミリオンを見ることができ、噛み付くと離れません。

用語解説

生き人形

魔法によって操られる生物。精神は消去されており、術者に絶対服従です。術者と感覚が共有されます。人間を生き人形にすることはタブーとされています。

副生き人形

生き人形にさらに術をかけたもの。昆虫に限定されます。

商人協会（ギルド）

魔法関連の商品を売買する組織。

クリスエス学院

ギルドが運営する魔法学校。魔法の実力でクラス分けされます。

魔法

スペルとリズムによって発動する力。

スペル

魔法を使うための言葉。魔導士によって異なります。使用者が少ないほど強力になります。

ルーツ

魔法使いの家系。強力な固有のスペルを受け継ぎます。

返し

強力な魔法を使った際の反動。術者にダメージを与えます。

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