ミルトン・ブラッドリー

ミルトン・オーベル・ブラッドリー・ジュニアは、1978年カリフォルニア州ロサンゼルス市ハーバーシティ地区出身の元プロ野球選手。右投両打の外野手として活躍しましたが、そのキャリアは、才能とトラブルが入り混じったものでした。

プロ入りとエクスポズ時代
1996年、MLBドラフト2巡目（全体40位）でモントリオール・エクスポズから指名されプロ入り。1999年には、パンアメリカン競技大会の野球アメリカ合衆国代表に選出。2000年7月19日にメジャーデビューを果たします。

インディアンス時代
2001年7月31日、ザック・デイとのトレードでクリーブランド・インディアンスへ移籍。2003年には、打率.321をマークし、チーム最多の17盗塁を記録するなど、才能の片鱗を見せます。しかし、2004年4月2日のオープン戦で、全力疾走を怠ったとして監督にベンチへ下げられると、試合中に宿舎へ帰ってしまうという問題行動を起こしました。

ドジャース時代
2004年、問題行動が原因でロサンゼルス・ドジャースへトレード。同年9月28日の試合で、エラーに対するファンからの野次に激昂し、ペットボトルをスタンドに叩き付けるという事件を起こし、シーズン終了まで5試合の出場停止処分を受けました。また、シーズンオフには、スピード違反や公務執行妨害で逮捕・服役するなど、素行の悪さが目立ちました。球団はカウンセラーを雇い、精神安定に努めましたが、2005年は怪我にも苦しみ、出場は75試合に留まりました。

アスレチックス時代
2005年シーズン終了後、オークランド・アスレチックスへ移籍。2006年は左肩痛でシーズン前半を棒に振ります。9月には、審判の判定に抗議し、1週間に2度も退場処分を受けるという失態を演じました。

パドレス時代
2007年7月29日、サンディエゴ・パドレスへ移籍。移籍後は打率.313、出塁率.414と好成績を残しますが、9月23日の試合で一塁塁審と口論になり退場処分。監督が制止に入った際に倒れ、右膝靭帯断裂という大怪我を負い、シーズンを終えました。

レンジャーズ時代
2007年12月12日、テキサス・レンジャーズと1年契約。2008年は、グレッグ・マダックスから投手の心理を学び、打撃が開花。オールスターに選出され、打率.321（リーグ3位）、出塁率.431・OPS.999（共にリーグ1位）という好成績を収めました。

カブス時代
2009年1月8日、シカゴ・カブスと3年3000万ドルで契約。しかし、打率.257と不振に陥り、球団やファンへの批判的な発言を繰り返したため、シーズン終了を待たずに強制送還されるという屈辱を味わいました。

マリナーズ時代
2009年オフ、シアトル・マリナーズへ移籍。2011年1月18日、女性に対する脅迫容疑で逮捕され、5月9日には戦力外通告を受けました。戦力外通告前までの成績は、28試合出場で打率.218でした。

2013年7月2日、別居中の妻への暴行・脅迫罪などで有罪となり、懲役960日と保護観察7年、社会奉仕活動400時間を命じられました。妻は2ヶ月後に亡くなりましたが、死因は明らかにされていません。

ミルトン・ブラッドリー・ジュニアは、その才能と素行の悪さで、常に周囲を騒がせました。しかし、レンジャーズ時代に見せた輝きは、彼の潜在能力の高さを示していました。数々のトラブルでキャリアを棒に振ってしまいましたが、記憶に残る選手の一人であることは間違いありません。

主な記録
* MLBオールスターゲーム選出：1回（2008年）

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