ミンドロ島の戦い

ミンドロ島の戦い

概要

ミンドロ島の戦いは、太平洋戦争中の1944年12月13日から1945年2月下旬にかけて行われた、日本軍とアメリカ軍の戦闘です。フィリピン北部のミンドロ島は、アメリカ軍のルソン島攻略の前提として先に確保される必要がありました。この戦闘では、アメリカ軍が圧倒的な優位性を持ち、日本軍は守備隊が全滅する結果となりました。

戦略背景

連合国の南西太平洋方面総司令官ダグラス・マッカーサーは、ルソン島攻略に向けて、ミンドロ島を重要な戦略拠点と位置づけていました。ミンドロ島は山が多く、平原が少ないものの、不時着用滑走路が整備されていたため、航空支援の基地確保が必要でした。

それに対し、太平洋戦争初期にミンドロ島を占領した日本軍は、主に海軍の水上機基地として南端のサンホセに位置していました。ミンドロ島には約1,000人の日本軍が駐留していましたが、地上戦力が限られていたため、内陸部の防衛が心許ない状況でした。

アメリカ軍の準備

アメリカ軍は、日本軍の防備が薄いと判断し、侵攻作戦の準備を整えました。最初は北東方面からの連携攻撃が検討されましたが、日本軍の空軍による反撃の危惧から、マンガリン湾からの上陸に変更されました。アメリカ陸軍第6軍司令官のウォルター・クルーガー中将の指揮の下、ミンドロ島の侵攻は12月15日に決定されました。

上陸戦と初期の戦闘

12月15日、アメリカ軍はミンドロ島に上陸を果たしました。この日の晴天は、上陸部隊に好都合でした。しかし、日本海軍の特攻攻撃を受け、アメリカ側には損害が出ました。しかし、アメリカ軍は迅速に揚陸作業を進め、無事に橋頭堡を築くことができました。

初期の抗戦

上陸後すぐに、アメリカ軍はサンホセ飛行場を制圧し、その後、島の治安掃討を進めました。特に、ゲリラとの連携が効果を発揮し、多くの日本軍が逃走することとなりました。アメリカ軍はその後、飛行場の整備を進め、管理体制を整えました。

日本軍の反撃

日本側は、ミンドロ島の拠点を奪還しようと試みましたが、空襲や特攻などでアメリカ軍に一定の損害を与えるにとどまりました。逆上陸作戦の要求も高まりましたが、戦力が分散することを恐れ、すぐに実行には移されませんでした。最終的に小規模な反撃部隊が派遣されましたが、成果は薄く、壊滅的な損害を被りました。

結果

ミンドロ島の戦いによって、アメリカ軍はフィリピン周辺の制空権を確保し、さらに2か所の重爆撃機用の飛行場を設営することに成功しました。アメリカ側の人的損害は戦死475人、負傷385人、日本軍は戦死200人、負傷375人と推定されています。その後、日本軍は飢餓や病気によって大きな損害を受け、終戦時には投降者が26名にとどまりました。これにより、フィリピンの連合軍戦略は大きく前進することとなりました。

参考文献

• - S. Sandler(2000). World War II in the Pacific: An Encyclopedia. Routledge.
• - 河合武郎 『ルソンの砲弾』、光人社、1999年。
• - Smith, Robert R. (1993). Triumph in the Philippines. United States Army in World War II.

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