ムトワラ

ムトワラ（Mtwara）

ムトワラはタンザニアの南部に位置する都市で、人口は約7万8000人（2012年時点）です。この街はムトワラ州の州都であり、1940年代に設立された新しい都市です。しかし、現在ではタンザニア南部の海岸地域において、最も大規模な都市となっています。

概要

ムトワラは1940年代後半に、英領タンガニーカでの落花生栽培を推進するための大規模なプロジェクトの一環として設立されました。このプロジェクトは「タンガニーカ落花生計画」と呼ばれ、外洋船が寄港可能な深水港や、20万人の人口が収容できる都市計画、さらに内陸への鉄道や郵便局などの公開インフラが整備されました。加えて、州の政庁は従来のミキンダニからムトワラに移転されたのです。

しかし、1951年にこの計画は大きな失敗を招き、事実上中止されましたにもかかわらず、ムトワラは深い港を持つことで、その後も政治的・商業的な中心としての地位を確立しました。結果として、ミキンダニやリンディを抑えて、南部海岸地域の中心都市として成長を続けてきました。

ムトワラには、5000人収容可能なウモジャ・スタジアムがあります。ここでは地元のサッカークラブであるバンダリFCが本拠地としています。

交通

ムトワラはモザンビークの国境にも近く、新たに完成したユニティ・ブリッジによってモザンビークと直結しています。また、内陸部のマサシとは部分的に舗装された道路で、北のリンディとは舗装道路で繋がれています。さらに、ムトワラには小規模な空港があり、ダルエスサラームとの間を約1時間で結ぶ便も運航されています。現在、ダルエスサラームからキルワ経由でムトワラにつながる舗装道路が建設中であり、今後のインフラ整備が期待されています。観光客にとっては、北のミキンダニへのアクセス拠点ともなっています。

経済

現在、ムトワラの内陸部ではムチュチュマとリガンガでの鉄鉱石の開発計画が進行中であり、これらの鉱山とムトワラ及びリンディを結ぶ鉄道が計画されています。ムトワラの港からはこの地域で生産されるカシューナッツなどが主に輸出されています。

また、2022年に始まったロシアのウクライナ侵攻によって、欧州地域で石炭の需要が急拡大し、ムトワラの港での取扱量も増加しています。これにより、港の経済活動は活発化しています。

ムトワラはその発展の過程で、政治的、商業的な意味で地域内の重要な役割を果たしています。今後の発展も期待される都市です。

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