ムーム

ムーム (múm): アイスランドが生んだ独創的なエレクトロニカ・バンド

ムームは、アイスランドの首都レイキャビクで結成されたエレクトロニカバンドです。その音楽は、生活音のサンプリングと、アコーディオン、メロディオン、グロッケンシュピールといった多様な生楽器の旋律が融合した、他に類を見ない独特なサウンドが特徴です。

バンドの歩み

múmというバンド名に深い意味はなく、2頭の象が鼻を絡め合う姿がモチーフとされています。初期には、ギーザ・アンナとクリスティン・アンナという双子の女性ボーカルが、その幻想的な歌声でバンドの牧歌的なイメージを際立たせていました。しかし、2002年にギーザが、2006年にはクリスティンが脱退し、バンドの音楽性は変化を遂げます。

ムームは、同郷のアーティストであるビョークやシガー・ロスとも交流が深く、ファットキャット・レコーズやモール・ミュージックなどのレーベルから音源をリリースしています。

音楽性の変遷

ムームの作品は、ギーザとクリスティンの在籍期間と、脱退後の期間で大きく分けることができます。

初期 (ギーザ & クリスティン在籍時): 『Yesterday Was Dramatic - Today Is OK』から『Summer Make Good』までの作品は、幻想的で浮遊感のあるサウンドが特徴です。年齢不詳な双子のボーカルが、楽曲に一層の神秘的な雰囲気を加えていました。
後期 (ギーザ & クリスティン脱退後): 『Go Go Smear the Poison Ivy』以降の作品は、リズミカルな要素が強まり、幼少期の回想を想起させるような内容が特徴です。より実験的なアプローチが試みられ、新たな音楽性を開拓しています。

多彩な活動

ムームは、音楽活動以外にも様々な分野で活躍しています。

ベル・アンド・セバスチャンのアルバム『わたしのなかの悪魔』のジャケット写真には、かつてメンバーであった双子の姉妹、ギーザとクリスティンがモデルとして登場しています。
2005年のアイスランドの音楽に関するドキュメンタリー映画『スクリーミング・マスターピース』にミュージシャンとして出演し、スロウブロウと共演している映像などが提供されています。

ディスコグラフィ (一部抜粋)

アルバム

Yesterday Was Dramatic - Today Is OK (2000)
Finally We Are No One (2002)
Summer Make Good (2004)
Go Go Smear the Poison Ivy (2007)
Sing Along to Songs You Don't Know (2009)
Smilewound (2013)
Neon Egg (2024)
EP

The Ballad of the Broken Birdie Records (2000)
Dusk Log (2004)
ザ・ピール・セッション (2006)

まとめ

ムームは、その独創的な音楽性と、多岐にわたる活動を通じて、世界中の音楽ファンを魅了し続けています。彼らの音楽は、エレクトロニカの枠を超え、聴く人の心に深く響く、唯一無二のサウンドスケープを創り出しています。

外部リンク

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