メアリー・メアリー

メアリー・メアリー（Mary Mary）は、アメリカ合衆国を代表するゴスペル界の姉妹デュオです。エリカ・アトキンス・キャンベルと、妹のトレシナ・ティナ・アトキンス・キャンベルによって結成され、その革新的な音楽スタイルで知られています。権威あるグラミー賞を三度受賞するなど、その実力は高く評価されており、現代ゴスペルシーンにおいて確固たる地位を築いています。

グループ名の「メアリー・メアリー」は、聖書に登場する著名な二人、すなわちイエスの母であるマリアと、マグダラのマリアからインスピレーションを得て名付けられたものです。この名前は、彼女たちの音楽活動の根幹にある信仰心と、聖書の世界観への敬意を示唆しています。

姉のエリカ・アトキンス・キャンベルは1972年生まれ、妹のトレシナ・ティナ・アトキンス・キャンベルは1974年生まれです。二人はカリフォルニア州イングルウッドで育ちました。両親は熱心な信仰を持つ人物で、母親はゴスペル隊の指導者を務め、父親は牧師でした。このような環境に加え、二人を含めて合計9人という大家族の中で育った経験は、彼女たちの音楽や人間形成に大きな影響を与えたと考えられます。

彼女たちのキャリアは、メジャーレーベルであるコロムビア・レコードとの契約から始まりました。そして2000年、満を持してファーストアルバム『Thankful』をリリースし、本格的な活動を開始しました。このデビューは、当時のゴスペル界に新たな風を吹き込むものでした。

メアリー・メアリーの音楽性は、従来のゴスペルの枠を超えた「アーバン・コンテンポラリー・ゴスペル」として形容されます。彼女たちは、ソウル、R&B、さらにはヒップホップといった当時主流であった音楽ジャンルの要素を大胆に取り込みました。この融合は革新的であり、ゴスペルを普段聴かない層を含む幅広い聴衆からの人気を獲得する原動力となりました。彼女たちはこの新しいスタイルの先駆者として、その後のゴスペル音楽に大きな影響を与えました。

私生活においては、姉のエリカはドラマーのテディ・キャンベルと結婚し、四人の子供がいます。一方、妹のティナは、メアリー・メアリーの音楽プロデューサーとしても知られるウォーリン・キャンベルと結婚し、三人の子供を育てています。興味深いことに、二人の夫同士には血縁関係はありませんが、結婚によって姉妹は同じ「キャンベル」姓となりました。

現代ゴスペル界の発展に寄与したメアリー・メアリーは、その革新的なサウンドと、力強いメッセージ性で、今なお多くの人々に影響を与え続けています。

ディスコグラフィ

(アルバム等)

脚注

外部リンク

オフィシャルサイト（英語）
日本公式サイト (ソニー)

もう一度検索