メカニカル・ワンダー

オーシャン・カラー・シーン（Ocean Colour Scene）の5枚目のアルバム『メカニカル・ワンダー』（Mechanical Wonder）は、2001年に発表されました。全英アルバムチャートでは最高7位を記録し、トップ75には4週間ランクインしましたが、バンドにとってこれが最後のトップ10入り作品となりました。

アルバムタイトルは、歌詞の一節「メカニカル・ワンダーは、単なる私の部屋の騒音だ」に由来するとされ、当初はダンスミュージックへの対抗意識を示すものと解釈されていました。しかし、バンド自身はこの解釈を否定しています。サイモン・ファウラーは、グレイテストヒッツアルバム『ザ・ベスト・オブ: ソングス・フォー・ザ・フロント・ロウ』のライナーノーツで、タイトルの真意について、高速道路を走る車をイメージしたものだと明かしています。

また、サイモン・ファウラーはアルバム収録曲の中で「ひどいラジオ1でしか流されない」と歌っており、これはバンドの楽曲があまりラジオでオンエアされない状況を皮肉ったものと考えられます。

アルバムからは、「アップ・オン・ザ・ダウン・サイド」（Up on the Downside）がシングルカットされ、チャートでまずまずの成績を収めました。しかし、ブリットポップの人気が衰退していた時期と重なり、アルバム全体のセールスは期待されたほど伸びませんでした。商業的な成功を収められなかったことが要因となり、バンドはアイランド・レコードとの契約を打ち切ることになります。

『メカニカル・ワンダー』は、オーシャン・カラー・シーンのキャリアにおいて、ターニングポイントとなった作品と言えるでしょう。ブリットポップの隆盛期を支えた彼らも、時代の変化とともに新たな道を模索せざるを得なくなり、本作はその過渡期における葛藤や挑戦を色濃く反映しています。

収録曲

1. アップ・オン・ザ・ダウン・サイド (Up on the Downside)
2. イン・マイ・フィールド (In my Field)
3. セイル・オン・マイ・ボート (Sail on my Boat)
4. ビゲスト・シング (Biggest Thing)
5. ウィ・メイド・イット・モア (We Made it More)
6. ギヴ・ミー・ア・レター (Give me a Letter)
7. メカニカル・ワンダー (Mechanical Wonder)
8. ユー・アー・アメイジング (You Are Amazing)
9. イフ・アイ・ゲイヴ・ユー・マイ・ハート (If I Gave You My Heart)
10. キャント・ゲット・バック・トゥ・ザ・ベースライン (Can't Get Back To The Baseline)
11. サムシング・フォー・ミー (Something For Me)
12. エニウェイ・エニハウ・エニホエア (Anyway, Anyhow, Anywhere) 日本盤限定ボーナストラック

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