メキシコの行政区画

メキシコの行政区画について

メキシコの地方行政区画は、1917年に制定された憲法によって規定されており、主に32の州から構成されています。特に注目すべきは、首都メキシコシティが以前は「連邦区」として州とは別の行政区画を持っていたものの、2016年の憲法改正に伴い、正式に32番目の州に加わったことです。これにより、メキシコの行政区画は一層整理されました。

州（Estado）

メキシコの州の数は32にのぼりますが、州ごとの大きさや人口は極端に異なります。例えば、中央メキシコに位置するトラスカラ州は滋賀県と同等の大きさである一方で、北部のチワワ州は本州よりも広い面積を持っています。各州は独自の州知事、州政府、州議会を有し、それぞれが州憲法及び州法に基づいて運営されています。州知事および州議会議員は直接選挙で選ばれるため、地域の政治には市民の声が反映されやすい仕組みとなっています。

ムニシピオ（Municipio）

州の下位にはムニシピオが設置されており、これは地域の基礎自治体として機能します。ムニシピオは一般的に「郡」と訳されることもありますが、日本の郡とは性質が異なり、自らの知事（Presidente）と議会を持っています。このムニシピオは全体で2,438存在し、各州における数には大きなばらつきがあります。たとえばバハ・カリフォルニア州には7つのムニシピオしかないのに対して、オアハカ州にはなんと570ものムニシピオがあります。

ロカリダード（Localidad）

日本の市町村に該当するのは予約語としてロカリダードと呼ばれ、これは1軒以上の住居が存在し、法律または慣習に基づいて名付けられた地域を指します。各ムニシピオは必ず1つの筆頭市（Cabecera municipal）を有しており、ムニシピオの行政がここで行われます。往々にして、筆頭市はムニシピオと同じ名称が付けられることが一般的です。

メキシコシティの行政区画

2016年以降、メキシコシティは16の管轄区域（Demarcaciones territoriales）に再編成されました。これらの区域は、以前の区（Delegaciones）に取って代わる形で設置され、各区域は権限が強化された区長（alcalde）と10名の議員（concejales）からなる区議会によって運営されています。これにより、メキシコシティ内での行政管理が一層強化されました。各区域内には「アルカルディア」として知られる行政単位が設けられており、さらに地区（colonia）として細分化され、住所表記にも流用されますが、これらの地区は自治体の一部ではありません。

まとめ

このように、メキシコの地方行政区画は独自の仕組みに基づいて全国に広がっており、各州やムニシピオ、さらにはメキシコシティの行政区分まで、多様な制度が地域の運営を支えています。今後も、地域ごとの特色や行政の在り方に注目していくことが重要です。

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