メディア開発庁

メディア開発庁（Media Development Authority: MDA）

メディア開発庁（MDA）は、シンガポールのメディア関連事業を統括していた法定機関です。2003年1月1日に、シンガポール放送庁（Singapore Broadcasting Authority）、映画出版局（Films and Publications Department）、シンガポール映画委員会（Singapore Film Commission）が合併して設立されました。情報通信省の管轄下にあり、本部をフュージョノポリスに置いていました。

主な役割と活動

MDAは、メディア産業の発展と規制を担っていました。具体的には、放送、映画、出版、インターネットなど、多岐にわたるメディア分野を監督し、政策の策定や事業の許認可を行っていました。また、コンテンツの品質向上や倫理的な基準の維持にも努めていました。特に、インターネット上のコンテンツについては、政治的、宗教的な話題に関して、ネット検閲を行っていたことでも知られています。

ネット検閲

MDAは、シンガポールにおけるインターネット検閲の実施機関としても重要な役割を担っていました。特定の政治的意見や宗教的観点を批判する内容、社会秩序を乱す可能性のある情報など、特定の基準に該当すると判断されたコンテンツに対して、削除やアクセス制限などの措置を行っていました。この検閲活動は、表現の自由や情報公開に対する制限として、国内外から批判を受けることもありました。

再編と廃止

2016年10月、シンガポールの政府組織再編の一環として、メディア開発庁（MDA）は情報通信開発庁（Infocomm Development Authority of Singapore: IDA）と統合され、「情報通信メディア開発庁（Infocomm Media Development Authority: IMDA）」が新たに設立されました。これにより、メディア開発庁は廃止され、その機能はIMDAに引き継がれることとなりました。

まとめ

メディア開発庁（MDA）は、シンガポールのメディア産業を支える重要な機関として、設立から廃止まで、様々な活動を行ってきました。メディアの発展を促進する一方で、検閲を通じて情報統制も行うという、複雑な側面を持っていました。その役割は、情報通信メディア開発庁（IMDA）に引き継がれ、現在もシンガポールのメディア環境に大きな影響を与えています。

関連項目

* シンガポールの法定機関

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