メトロセブン

メトロセブン（環七高速鉄道）

メトロセブンまたは環七高速鉄道は、東京都特別区の中心部から約10キロメートル圏内の北東地域を結ぶ環状鉄道の計画です。この鉄道は、北区の赤羽駅と江戸川区の葛西臨海公園駅を結ぶ構造を持ち、主要には環七通り（都市計画道路環状7号）を地下で通過します。

計画の成り立ち

当初は足立区、葛飾区、江戸川区を結ぶ構想から始まりましたが、計画は進むにつれて、赤羽駅からさらに足立区の西側にある地域を結ぶ方向へと発展しました。これによって、特別区の外周部を横断し、相互の接続性が高まることを目的としています。

期待される効果

現状、JR山手線とJR武蔵野線の間には環状鉄道がないため、メトロセブンの導入は多くの利点をもたらすと考えられています。主な効果としては、次のような点が挙げられます:

• - 山手線と武蔵野線の間の空白地帯の解消
• - 環状方向での移動利便性が向上
• - 既存の鉄道にかかる混雑の緩和
• - 環状方向における地域の結束強化と活性化

2018年に実施されたメトロセブン促進協議会による調査では、計画の知名度は58%に達し、「完成したら利用したい」との回答は78%に上りました。これは地域住民の関心の高さを反映しています。

設置駅（想定）

メトロセブンの設置駅予定地は以下の通りですが、これはあくまで暫定的な計画です。実際の進展により変更があり得るため、今後の動向が注目です。

• - 赤羽駅（関連路線：JR宇都宮線、高崎線など）
• - 志茂地区（東京メトロ南北線との接続を計画）
• - 新田地区
• - 鹿浜地区
• - 江北陸橋付近（都営日暮里・舎人ライナーとの結節案も存在）
• - 西新井地区（西新井駅）
• - 六町駅（つくばエクスプレス線に接続）
• - 亀有駅（JR常磐線）
• - 葛西駅（東京メトロ東西線）
• - 葛西臨海公園駅（JR京葉線）

課題と見通し

環状七号線の沿道域には大きな需要がある一方で、ビルなどが密集していることから、用地取得の問題から地下路線を選択せざるを得ないという現実があります。地下鉄路線となると想定総工費は1.5兆円を超える見込みで、銀行からの借入で30年の返済を行う場合も、運営利益が債務超過に陥る可能性が高いです。

そのため、総工費を抑える手段としてリニア地下鉄を採用し、トンネル径を小さくすることが考えられています。しかし、地下鉄の利用者数試算が過大になっており、実際に求められる輸送力との乖離が懸念されています。

さらに、メトロセブン構想が実現することによって南北方向の交通が充実することで、地域活性化にもつながることが期待されます。

シャトルセブン

南北方向の交通が乏しい江戸川区内では、既存のバス路線「シャトルセブン」が2007年から試験運行され始め、亀有駅や一之江駅を通るルートが設定されています。このバスの需要は高く、増便が行われていますが、起点の駅では既に過剰な発着となり、さらなる増便は難しい状況です。これらの背景からも、メトロセブン計画の必要性が明確に浮かび上がります。

このようにメトロセブンは、東京都内の交通網において重要な存在となることが期待されている鉄道計画です。その実現には多くの課題がありながらも、地域の未来に向けた大きな一歩となることでしょう。

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