メビウス・ゲーム

『メビウス・ゲーム』

『メビウス・ゲーム』（Möbius Game）は、昭和の歌姫・山口百恵の20枚目のスタジオ・アルバムにあたります。このアルバムは1980年5月21日にCBSソニーからリリースされ、特に音楽ファンの間で非常に高く評価されています。

アルバムの概要

本作のキャッチフレーズは「終りあって終りなし 百恵のワンダーワールド!!」となっており、聴く人を惹きつける要素が満載です。シングル「ロックンロール・ウィドウ」と同時に発表され、各楽曲の際立った特徴が引き立てられています。特に注目すべきは、アルバム・バージョンとしてストリングスがイントロに加えられた「ロックンロール・ウィドウ」です。また、2003年6月4日には復刻CD-BOX『MOMOE PREMIUM』でもリマスタリング音源として収録され、その後も『Complete MOMOE PREMIUM』としてさらなるマスターサウンド仕様が施されています。

制作背景

初めはシングルを含まないアルバムを計画していたものの、百恵にロックンロールを歌わせたいというプロデューサーの願いから生まれた「ロックンロール・ウィドウ」が非常に好評で、初めての試みとしてシングルカットされることになりました。当アルバムの1曲目である「ロックンロール・ウィドウ」には、アルバムのラストを飾る「ヴァイオレット・ラプソディー」でも同じストリングスの音が利用されています。また、曲同士がスムーズに繋がる仕掛けも施されており、「アポカリプス・ラブ」のアウトロが「テクノ・パラダイス」のイントロに繋がるなど、リスナーに無限に続く音楽の旅を感じさせる工夫がなされています。この仕掛けは、ディレクターの川瀬泰雄と金塚晴子が提案したものです。

アルバムのタイトル

アルバムのタイトルには、「メタモルフォセス」や「平行世界」、「無限への崩壊」、「エディプス・コンプレックス」、「ナーバス・ブレイクダウン」など多くの候補があった中、最終的に『メビウス・ゲーム』が選ばれました。「メビウス」はメビウスの輪から、そして「ゲーム」は楽曲構成への遊び心からインスパイアされています。

ジャケットデザイン

アルバムのジャケットイラストは、当時多摩美術大学を卒業したばかりのイラストレーター、鶴田一郎によって手掛けられています。独創的で魅力的なビジュアルが、アルバムの世界観を一層引き立てています。

スタッフと制作チーム

本作に関わったスタッフには、エグゼクティブ・プロデューサーとして酒井政利、プロデューサー兼ディレクターの川瀬泰雄など、実力派のメンバーが揃っています。レコーディング・エンジニアには前島裕一、リミキシング・エンジニアとして前島裕一と萩田光雄が名を連ねています。ニーズに合わせたアシスタント・エンジニアやコーディネーターも含め、緻密な制作体制が敷かれていました。

関連作品

このアルバムは、その後も復刻されたCD-BOX『MOMOE PREMIUM』や、山口百恵の22作のオリジナルアルバムを集めたコレクションにも含まれています。

『メビウス・ゲーム』は、山口百恵の音楽の中でも特に印象深い作品の一つであり、今なお多くのリスナーに愛され続けています。

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