メモリーズ・オブ・マイ・マインド

『メモリーズ・オブ・マイ・マインド』

アルバム概要

『メモリーズ・オブ・マイ・マインド』は、日本のシンガーソングライター、大野義夫によって制作された音楽アルバムです。この作品は、1981年7月に日本コロムビアより世に送り出されました。アルバムのタイトルが示すように、心に深く刻まれた記憶や情景を音楽という形で表現しており、彼の音楽活動における基盤であるカントリーミュージックに焦点を当てた内容となっています。

音楽性と参加ミュージシャン

本作では、大野義夫自身がヴォーカルを担当する傍ら、ギターやバンジョーといった弦楽器の演奏でも中心的な役割を果たしています。彼の歌声には、カントリーミュージック特有の温かみと叙情性が漂っており、聴く者の感情に静かに寄り添う力があります。

アルバムのサウンドプロダクションは、彼一人の力だけでなく、経験豊富な多数のミュージシャンの参加によって豊かさが加えられています。参加パーソネルは以下の通りです。

大野義夫（ヴォーカル、ギター、バンジョー）
原田実（スティール・ギター）
野口武義（ギター）
島田忠男（ドラム）
小寺八（ベース）
宮城久弥（フィドル）
ポニー浜田（バンジョー）

これらの卓越したミュージシャンたちが加わることで、スティール・ギターの響き渡るメロディー、フィドルの躍動感あふれるフレーズ、バンジョーのリズミカルなアルペジオなど、カントリー音楽に不可欠な要素が精緻に組み込まれています。大野義夫の確固たる歌唱と演奏は、彼らの技巧的なサポートによって一層引き立てられ、聴き応えのあるアンサンブルを創り出しています。

収録曲

アルバムには、全15曲が収録されています。A面（Side 1）に7曲、B面（Side 2）に8曲が配され、カントリーミュージックの古典から、大野義夫独自の解釈による楽曲まで、幅広い選曲がなされています。

Side 1

オン・ザ・ロード・アゲイン
想い出のグリーン・グラス
カントリー・ボーイ
レット・イット・ビー・ミー
カントリー・ロード (故郷に帰りたい)
信じて欲しいの
ラバ追いのブルース

Side 1には、「オン・ザ・ロード・アゲイン」や「想い出のグリーン・グラス」といった、旅情や郷愁を歌った広く知られるカントリーソングが収録されています。「カントリー・ロード」は、特に多くの人々に親しまれている楽曲であり、大野義夫の温かい歌声によって新たな感動をもたらします。「信じて欲しいの」や「ラバ追いのブルース」といった楽曲も含まれており、カントリーというジャンルの多様な側面を感じさせます。

Side 2

ミスティ
キャトル・コール
あなただけよ
OK牧場の決斗
ジャンバラヤ
砂漠の子守唄
コロンバス・スタッケード・ブルース
スティール・ギター・ラグ

Side 2もまた、カントリーの枠を超えたバラエティ豊かな構成です。ジャズのスタンダードとしても有名な「ミスティ」のカントリー風アレンジや、西部劇の象徴的なテーマ曲である「OK牧場の決斗」、そしてカントリー界のレジェンド、ハンク・ウィリアムズの代表作「ジャンバラヤ」などが並びます。「キャトル・コール」や「砂漠の子守唄」といったタイトルは、アメリカの広大な大地や開拓時代の情景を想起させます。「スティール・ギター・ラグ」は、参加ミュージシャンの高い演奏技術、特にスティール・ギターの妙技を堪能できるインストゥルメンタル楽曲であると推測され、アルバム全体のアクセントとなっています。

全15曲を通じて、大野義夫が長年培ってきたカントリー音楽への深い造詣と情熱が伝わってきます。彼の飾らない歌声と、熟練のミュージシャンたちが織りなす演奏が見事に調和した、聴くたびに新たな発見がある作品です。

まとめ

『メモリーズ・オブ・マイ・マインド』は、1981年にリリースされた大野義夫のアルバムであり、彼のカントリーミュージシャンとしての魅力が凝縮された作品です。自身のヴォーカルと演奏を中心に、実力派ミュージシャンたちが集結し、カントリーの多様なスタイルを網羅した全15曲が収録されています。カントリー音楽のファンはもちろん、大野義夫というアーティストの深みに触れたいリスナーにとって、間違いなく重要な一枚となるでしょう。

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出典: 本稿は、当該アルバムのライナーノーツに基づき記述されています。

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