メランコリニスタ

YUKIの13枚目のシングルとしてリリースされた「メランコリニスタ」は、彼女の音楽性の新たな一面を垣間見せる楽曲です。作曲は蔦谷好位置が担当し、ディスコやファンクといった要素を巧みに織り交ぜた、聴く者を自然と踊り出すような衝動に駆り立てるダンスミュージックに仕上がっています。

タイトルである「メランコリニスタ」は、YUKI自身による造語であり、楽曲の持つ独特な世界観を象徴しています。彼女は曲について、「とにかく踊れるようにしたくて、詞の内容に意味があまりないようなものにしたかった」と語っており、聴覚的な快楽を追求したことがうかがえます。

ミュージックビデオもまた、楽曲のイメージを強く印象付けるものとなっています。YUKI本人と、世界各国の民族衣装を身にまとった男性たちが踊る姿が交互に映し出され、多様性と一体感を表現しています。また、ジャケットは、ヤギを抱いたYUKIのヌード肖像画という、大胆かつアーティスティックなもので、大きな話題を呼びました。

「メランコリニスタ」には、表題曲のオリジナルバージョンの他に、リミックスバージョンやインストゥルメンタルバージョンも収録されています。リミックスバージョンは、A Hundred BirdsとMalawi Rocksがそれぞれ手掛けており、オリジナルとは異なる新たな魅力を引き出しています。また、インストゥルメンタルバージョンは、楽曲のメロディーラインやアレンジメントの美しさをより際立たせています。

この楽曲は、花王「エッセンシャル・ダメージケア」のCMソングとしても起用され、幅広い層に認知されるきっかけとなりました。さらに、SOTTE BOSSEや高槻やよい（仁後真耶子）といったアーティストによってカバーされており、その音楽的な魅力は時代を超えて愛され続けています。

「メランコリニスタ」は、YUKIの音楽キャリアの中でも特に異彩を放つ楽曲であり、彼女の実験精神とポップセンスが融合した傑作と言えるでしょう。聴く者を飽きさせない多様なアレンジメントと、YUKIの独特な歌声が、この楽曲を唯一無二の存在にしています。

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