メリーランド (戦艦)

USS Maryland（BB-46）の詳細

USS Maryland（BB-46）はアメリカ海軍のコロラド級戦艦で、同級の2番艦として1921年に竣工しました。この艦名はメリーランド州に由来し、アメリカ海軍史上、同名の艦は3隻目です。メリーランドは艦艇の建造時期によって、メリーランド級と呼ばれることもあります。愛称には「メリー」や「ファイティング・メリー」があります。

概要

メリーランドは、16インチ砲を搭載した標準型戦艦として、流線型のフォルムを持ち、当時の主力艦の一つとして艦隊の制空権と火力支援を担いました。1921年にニューポート・ニューズ造船所で進水し、同年7月21日に就役しました。コロラド級戦艦の中で唯一、ワシントン海軍軍縮条約が発効する前に完成し、その影響でメリーランド級とも称されました。

艦のデザインは、戦艦としての運用にあたって多くの工夫がなされました。特に16インチ連装砲を4基、計8門搭載し、当時の海軍力を象徴する存在でした。また、海軍の運用する艦艇の中でも「ビッグ・セブン」や「ビッグ・ファイヴ」と称されることがありました。

第二次世界大戦における行動

1941年の真珠湾攻撃では、日本の航空機による攻撃を受け小破しました。その後の修理と近代化改装を経て、1942年には再び戦列に戻ります。その後、護送任務や警戒任務を果たし、1943年にはアメリカ軍の反攻において重要な役割を担います。

1944年6月22日にサイパン島の攻防戦で魚雷攻撃を受け、損傷しましたが、修理を施しながらも戦闘を続けました。特に注目すべきは、10月のスリガオ海峡における夜戦での戦果です。西村艦隊を撃退し、その名声を高めました。

1945年4月に沖縄戦に参加する際、戦艦大和との決戦に備えましたが、その直前に特攻機の攻撃を受け、またもや損傷を負います。最終的にメリーランドは修理を行い、戦争の終結を迎えました。

退役と戦後

戦後、メリーランドは「マジック・カーペット作戦」に従事し、連合軍の復員作業に貢献しました。1959年には解体され、その歴史に幕を閉じました。また、第二次世界大戦での活躍により、7個の従軍星章を受章しています。

戦艦メリーランドは、米海軍の歴史の中で重要な役割を果たし、その戦闘力と相まって多くの記憶に残る艦船として今も語り継がれています。

もう一度検索