メルセデス・ベンツ・M155エンジン

メルセデスAMG M155エンジン：SLRマクラーレンの心臓部

M155エンジンは、メルセデス・ベンツの高性能部門であるAMGが開発した、5.4リッターV型8気筒スーパーチャージャーエンジンです。その名は、メルセデス・ベンツの伝説的なスポーツカー、SLRマクラーレン（C199）に搭載されたことに由来します。2004年のSLRマクラーレンへの搭載を皮切りに、その圧倒的なパフォーマンスと洗練された技術で、多くの自動車ファンを魅了してきました。

M113エンジンをベースに、さらなる高みへ

M155エンジンの開発においては、メルセデス・ベンツのV型8気筒エンジン、M113E55MLがベースとして用いられました。M113エンジンをベースとしながらも、M155エンジンはスーパーチャージャーとインタークーラーをバンク間に配置するという、AMG独自の技術が導入されています。シリンダーあたり3バルブという構成も、M113エンジンから受け継がれた特徴です。これらの技術により、M155エンジンは、M113エンジンを凌駕する高出力を実現しています。

圧倒的なパワーとトルク

標準仕様のSLRマクラーレンに搭載されたM155エンジンは、最高出力460kW (626PS) / 6,500rpm、最大トルク780Nm (79.6kg・m) / 3,250～5,000rpmを発生します。このすでに強力なエンジンは、その後も進化を遂げます。

2006年頃に登場したSLR 722では、最高出力と最大トルクがそれぞれ25kW (24PS)、40Nm (4.0kg・m) 向上しました。そして、SLR 722 GTでは、その性能はさらに極限まで高められました。最高出力は500kW (680PS) 、最大トルクは830Nm (84.7kg・m) に達し、M155シリーズの頂点に君臨する存在となりました。

エンジンの主要諸元

タイプ: V型8気筒
バルブ/シリンダー: 3
総排気量: 5,439cc
ボア×ストローク: 97mm × 92mm

技術的特徴と進化

M155エンジンは、単に高出力なエンジンというだけでなく、その技術的な精緻さも魅力の一つです。スーパーチャージャーとインタークーラーの配置、シリンダーあたりのバルブ数、そして、SLRマクラーレンの進化に合わせた出力向上など、各所にAMGの技術とこだわりが見て取れます。

関連エンジン

M155エンジンの開発には、M113エンジンの技術が大きく貢献しています。また、後継エンジンとして知られるM159エンジンも、M155エンジンの技術的遺産を受け継いでいると言えるでしょう。

まとめ

M155エンジンは、AMGの技術力の粋を集めた、高性能V型8気筒スーパーチャージャーエンジンです。SLRマクラーレンという伝説的なスポーツカーに搭載されたことでその名を知らしめ、その圧倒的なパワーと洗練された技術は、今もなお多くの自動車ファンを魅了し続けています。その進化の歴史と技術的詳細を理解することで、M155エンジンが持つ真の魅力をより深く知ることができるでしょう。

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