メルセデス・ベンツ・M278エンジン

メルセデス・ベンツM278エンジン：高効率と性能を両立したV8

メルセデス・ベンツのM278エンジンは、V型8気筒ガソリンエンジンのシリーズで、従来のM273エンジンを進化させた後継モデルです。燃費効率と環境性能の大幅な向上を目標に開発されました。

このエンジンの最大の特徴は、先進技術を余すことなく投入している点にあります。最新の直噴システムは、燃料を燃焼室に直接噴射することで、燃焼効率を高め、パワーとトルクの向上を実現しています。さらに、アイドリングストップシステムは、停車時に自動的にエンジンを停止し、無駄な燃料消費を抑えます。

ターボチャージャーは、2基の水冷インタークーラー付きツインターボチャージャーを採用。ターボによる過給効率を高めながら、過給空気の温度上昇を抑えることで、出力と燃費の両立を可能にしています。

また、オイルポンプとオルタネータの制御も高度化されています。オイルポンプは、オンデマンド制御によって必要なオイル量だけを供給し、エネルギーロスを削減。オルタネータはインテリジェント制御により、発電量を最適化することで燃費向上に貢献しています。

トランスミッションには、7速ATの7G-TRONICが組み合わされ、スムーズな変速と優れた燃費性能を実現しています。

M278エンジンの搭載は、2010年冬のメルセデス・ベンツCLクラス（C216）から開始されました。その後、段階的に他の車種にも搭載範囲が拡大していったと推測されます。

このエンジンは、550シリーズに搭載されていた従来のV型8気筒エンジンに取って代わる形で導入され、メルセデス・ベンツのフラッグシップモデルにふさわしい動力性能と環境性能のバランスを実現しています。

M278エンジンの登場は、自動車業界における高効率エンジン開発の大きな進歩を示すものであり、環境規制の強化が進む現代において、燃費性能と動力性能を両立させるための重要な技術的革新として位置付けられます。

M278エンジンの登場は、メルセデス・ベンツが環境性能と動力性能の両立に真剣に取り組んでいる姿勢を示すものです。今後も、さらなる環境性能の向上と、より洗練されたドライビングエクスペリエンスを提供するエンジン開発が期待されます。

参考文献

「Sクラス」、新V6／V8エンジン搭載で燃費向上 (参照日：2011年7月22日)

関連項目

メルセデス・ベンツM157エンジン

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