モザイクジャパン

『モザイクジャパン』の概要

『モザイクジャパン』は、2014年5月18日から6月15日までWOWOWで放送された連続ドラマW作品です。このドラマは、脚本家の坂元裕二が手がけた完全オリジナルストーリーであり、アダルトビデオ制作をテーマにした社会派エンターテインメントとして、多くの視聴者に衝撃を与えました。放送時間は毎週日曜日の23時から23時30分までの30分間で、WOWOWからは「R15+指定相当」として視聴年齢が制限されています。

企画と制作

このドラマの企画は、WOWOWプロデューサーの岡野真紀子が、坂元裕二にオファーをするところから始まりました。坂元は「テレビの番組づくりの原点は、誰もが興味を持っているけれど、誰も知らないことを、誰でもが見られる場所にさらけ出すこと」と語り、その発言を基にストーリーが練られました。舞台設定はアダルト業界に決まり、制作にあたっては関係者への徹底した取材が行われました。

『モザイクジャパン』は、表面的には「お仕事ドラマ」でありながら、社会のブラックな側面を描く作品でもありました。タイトルにある「モザイク」は、刑法175条に関連したテーマを具現化しており、法律とモザイクの矛盾、さらには日本社会の歪みを示唆する重要な要素となっています。ストーリーは時にはコミカルでありながらも、ダークなトーンで重厚なメッセージを持って展開していきます。

演出は、坂元作品での経験もある水田伸生が担当しました。坂元からのオファーを受けた水田は、台本を読み味わった結果、具体的な中身が分からぬまま「自信がない」とスタッフに告白したと語っています。

あらすじ

物語は東京の証券会社で働いていた常末理市が、リストラによって故郷の田舎町に帰るところから始まります。帰郷した理市は、自身の故郷がアダルト産業によって変貌を遂げていることに戸惑いを覚えます。彼は両親の勧めで、GALAXYZという企業に就職することになりますが、そこで待ち受けていたのは、女性社員たちがAV女優であるという信じがたい状況でした。

理市は、日常的に行われるAV撮影の光景に衝撃を受けつつも、その業界での葛藤を抱えながら新たな生活に順応しようとします。彼の心に残る淡い恋愛感情が、同じ職場のAV女優・木内桃子への恋愛に発展し、理市はAV業界に引き込まれていくことになります。しかし、桃子の真の気持ちはAV女優としてのキャリアに深く根付いており、理市はその葛藤に悩む日々を過ごしていきます。

登場人物

常末理市

演 - 永山絢斗
本作の主人公であり、リストラ後にGALAXYZに就職。

九井良明

演 - 高橋一生
GALAXYZの社長で、アダルト業界での成功を収めた。

木内桃子

演 - ハマカワフミエ
GALAXYZで働くAV女優で、理市にとって特別な存在。

その他にも、個性的なキャラクターたちが多数登場し、それぞれのストーリーが組み合わさりながら、物語は進行します。演出や脚本の精緻さ、登場人物の人間ドラマを通じて、このドラマは視聴者に深く刺さる作品として、多くの賞賛を受けることとなりました。

『モザイクジャパン』は、単なるエンターテインメントとしてではなく、現代社会における様々な問題を投影した作品として、多くの人に印象を残しました。

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