もっこ

畚（もっこ、ふご）について

畚（もっこまたはふご）は、日本の伝統的な運搬用具です。主に縄や竹、さらには蔓を使って網状に編まれ、地面に平らに広げられて使用されます。一般的な形状は、藁蓆（わらむしろ）などの平面の四隅に2本の吊り綱を取り付けたものです。この構造により、重い物でも比較的ラクに持ち運ぶことが可能になります。

畚の多様な形状

畚（もっこ）の形はさまざまで、箱型の「箱畚」や、馬に装着するための「駄つけ畚（ビク）」などがあります。通常、吊り綱の2つの環に棒を通して、前後の2人が持ち上げて運搬します。この便利さから、主に農作業において土や砂などの重量物を運ぶために広く利用されてきました。また、昭和初期までは土木工事の現場でもその存在が重宝されていました。

畚の別名と利用シーン

畚は「もっこう」や「軽籠」とも呼ばれ、用途は多岐にわたります。例えば、引越しの際には、長方形のしっかりした布の四隅に吊り綱を取り付けた畚を使って、重たい家具やグランドピアノなどを運搬します。また、北海道の漁村では、特に鰊（にしん）の運搬用に作られた木製の背負い箱を「もっこ」という名前で呼びます。このように、畚は地域によって異なる形で使われ、昔から人々の生活に密接に結びついてきました。

読み方の違いと用途の変化

「畚（ふご）」と読む場合は、特に稲わらを編んで作った円筒型または円状の運搬容器を指します。このように、同じ語源を持ちながらも、読み方によって用途が異なることもあるため、注意が必要です。

歴史的背景

畚の起源は「持ち籠（もちこ）」という言葉から派生したと考えられており、古くから日本の生活の中で用いられてきた運搬具の一つです。この過去の使用方法の中では、武田氏のもっこを使った投石部隊、特に小山田隊が知られています。

また、畚は農業だけでなく、さまざまな産業や文化においてその重要性が改めて認識されています。現代においては、伝統的な方法だけでなく、近代技術と組み合わせた応用も進んでおり、地域によってはその姿が変わりながらも、運搬手段としての役割を果たすことが期待されています。これからも、畚はその形を変えつつ、多くの場面で利用され続けるでしょう。

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