モネガスク・フラン

モネガスク・フラン：モナコの旧通貨

モネガスク・フランは、2002年までモナコ公国の法定通貨として使用されていた通貨です。1999年には法令上ユーロへの移行が決定しており、フランス・フランと等価で流通していました。補助通貨単位として、1フランの100分の1であるサンチームと10分の1であるデシームが存在しました。1960年には、フランス・フランと同様に、通貨の改定が行われ、旧100フランが新1フランとなりました。ユーロへの交換レートは、1ユーロ＝6.55957フランと定められていました。現在では、ユーロへの交換期間が終了しているため、モネガスク・フラン硬貨は収集価値のみを持つこととなります。

硬貨の歴史

モナコで初めて発行された十進法の硬貨は、1837年から1838年にかけての5サンチーム、1デシーム、5フラン硬貨です。5サンチームと1デシーム硬貨は銅と真鍮製で、当時のフランス硬貨と同じ大きさでしたが、フランスでは同額面の硬貨は発行されていませんでした。一方、5フラン硬貨はフランスの硬貨に合わせて作られました。1882年以降はこれらの硬貨の発行は停止され、代わりに1904年まで100フラン金貨が発行されました。

1924年から1926年にかけては、フランス硬貨と同じ大きさの50サンチーム、1フラン、2フランのアルミニウム青銅貨が発行されました。その後、1943年には1フランと2フランのアルミニウム貨、1945年にはアルミニウム青銅貨が導入され、さらに5フランアルミニウム硬貨も発行されました。1946年には10フラン白銅貨、1947年には20フラン白銅貨が登場しましたが、これらはフランスの硬貨とは異なる設計でした。

1950年には、10、20、50フランのアルミニウム青銅貨と100フラン白銅貨が導入され、1956年には100フラン硬貨がフランスの同額面硬貨の寸法に合わせ、サイズが変更されました。1960年の通貨改定後には、1フランニッケル貨と5フラン銀貨が発行されました。その後も、様々な額面の硬貨が発行され続けました。これら後年の硬貨は、フランスの硬貨と寸法や素材の配合が統一される傾向が見られます。1962年には10、20、50フランアルミニウム青銅貨、1965年には1/2フランニッケル貨、1971年にはニッケルメッキの5フラン白銅貨、1974年には10フランニッケル黄銅貨、1976年には1サンチームステンレス貨と5サンチームアルミニウム青銅貨、1989年と1992年には10フランと20フランのバイメタル貨がそれぞれ導入されました。

紙幣について

モネガスク紙幣は、1920年から1921年にかけて、25サンチーム、50サンチーム、1フランの額面で緊急紙幣として発行されたのみです。発行期間が非常に短く、現在では非常に珍しい存在となっています。

まとめ

モネガスク・フランは、フランス・フランとの強い結びつきを持ちながら、独自の硬貨を発行してきた歴史を持っています。その歴史は、モナコの独立性とフランスとの緊密な関係性の両方を反映していると言えるでしょう。ユーロへの移行後も、その貨幣は収集家にとって貴重な品として残されています。

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