モハメド・アタ

モハメド・アタのプロフィール

モハメド・アタは1968年9月1日にエジプトのカフル・アッシャイフ県で生まれました。彼は3人兄弟の末っ子で、2人の姉がいます。父は弁護士で、恵まれた家庭環境で育ちました。1990年にはカイロ大学の工学部建築学科を優秀な成績で卒業し、1992年にはドイツのハンブルク工科大学に留学し都市計画を学びました。

当時のアタは、1995年に国際交流プログラムに参加し、カイロやサウジアラビアを巡り、初めてのメッカ巡礼を行いました。この旅の中で、彼は伝統的なイスラム建築が欧米的な都市計画に取って代わられていく様子に強い憤りを感じるようになります。アフガニスタンでウサーマ・ビン・ラーディンやハリド・シェイク・モハメドから反米闘争のイデオロギーを学ぶこともありました。

その後、ハンブルクに戻ったアタは講演を通じて「アメリカ的な都市計画はアラブのアイデンティティーを脅かす」と強調し、エジプトに戻り伝統を尊重した都市計画を行いたいと語っていました。

テロリストとしての経歴

1997年の5月までハンブルクの都市計画事務所で勤務していたアタは、勤務態度は優秀で性格も穏やかだったとされています。しかし、留学中に過激なイスラム主義グループに加わったとされ、1999年秋には、マルワン・アルシェヒやジアド・ジャラヒと共に同大学に居を移し、イスラムのサークルを設けました。自宅には多くのパソコンが設置され、コーランを詠唱する姿には近隣住民からの苦情も寄せられていました。

2001年2月、アタはビンラディンの指示を受けてドイツを出国し、米国に渡ります。彼はフロリダ州の高級別荘地に隠れ住み、旅客機の乗っ取りおよび自爆テロの計画を進めていました。アタは「細胞」の指揮官として若者たちを集めており、全員がアルカイダの工作員です。

アタはホフマン飛行機学校でパイロットの操縦技術を学び、非常に熱心で短期間で習得した結果、通常難しい試験を一度で合格しました。彼は自家用操縦免許を取得し、2001年の夏になるとラスベガスに移動し、最終的な計画の打ち合わせを行いました。

一方、モロッコ系フランス人のザカリアス・ムサウィはパイロット学校での行動が原因でFBIに監視され、アタらとの合流ができなくなりました。これにより、航空機を利用したテロ活動の可能性が浮かび上がることになりますが、同時に行われた捜査が間に合わず、テロの計画が実行されてしまいました。

同時多発テロの実行

2001年9月11日、アタはメイン州のポートランド国際空港からボストン行きの便に搭乗。その後、アメリカン航空の便に乗り込み、予定通り離陸します。アタと共に乗客を制圧し、操縦権を握った彼らは、世界貿易センタービルに衝突して計画を達成しました。その結果、アタはテロを実行しながら亡くなりました。彼の行動は、今もなお世界に大きな影響を及ぼしています。

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