モロディスト・キエフ国際映画祭

モロディスト・キエフ国際映画祭は、ウクライナの首都キーウで毎年10月に開催される国際映画祭です。1970年にミコラ・リセンコ記念キエフ音楽学校の学生たちによって、わずか2日間の映画祭としてスタートしました。初年度には33本の映画が上映されましたが、時を経て規模を拡大し、2010年には439本もの映画が上映され、127,000人もの観客を動員する、ウクライナ最大の映画祭へと成長を遂げました。現在の会長はアンドリー・ハルパフチ氏が務めています。

映画祭の概要

1991年以降、モロディスト・キエフ国際映画祭は、国際映画製作者連盟（FIAPF）によって認定された、ウクライナ国内で唯一の映画祭としての地位を確立しています。世界的に見ても、26の専門的な国際コンペティション映画祭の一つとして認められています。

映画祭の主な目的は、若いプロフェッショナルの映画作家たちの成長を支援し、映画業界の発展に貢献することです。コンペティション部門では、世界各地から集められた、才能あふれる若手映画作家たちの作品が上映され、国内外で高い評価を受けています。上映プログラムは、学生映画、短編映画（実写、アニメーション、ドキュメンタリー）、長編映画で構成されており、キーウ市内の主要な映画館3～5館を会場として開催されています。

この映画祭は、数多くの著名な映画監督たちのキャリアの出発点となっています。トム・ティクヴァ、フランソワ・オゾン、エニェディ・イルディコーといったヨーロッパの映画監督たちがこの映画祭でデビューを飾り、その後、世界的な映画賞であるパルムドール（ブリュノ・デュモン監督など）やアカデミー賞を受賞するなど、輝かしい活躍を見せています。

モロディスト・キエフ国際映画祭は、単に映画を上映する場としてだけでなく、若き才能を発掘し、映画業界の未来を担う人材を育成する重要な役割を果たしています。その規模と影響力は、ウクライナ国内だけでなく、国際的な映画界からも注目を集めており、映画文化の発展に大きく貢献しています。

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