モンキチョウ

モンキチョウ（紋黄蝶、学名：Colias erate）は、シロチョウ科に属するチョウの一種です。その名の通り、黄色い翅を持つことが特徴で、日本を含むユーラシア大陸の広範囲に分布しています。

分布

モンキチョウは、ヨーロッパ南東部からトルコ、中央アジアを経て、日本や台湾まで、暖温帯から亜熱帯にかけて広く生息しています。南限はソマリアやエチオピアにまで達し、多様な環境に適応していることが伺えます。

生態

前翅長は23-26mm程度で、年に2回、5月から9月にかけて発生します。幼虫は、ムラサキウマゴヤシ、クローバー、オノブリキス属、シナガワハギ属など、様々なマメ科植物を食草としています。成虫は日当たりの良い場所を好み、活発に飛び回ります。

日本の亜種：C. e. poliographus

日本に分布する亜種は、C. e. poliographusと呼ばれ、北海道から南西諸島まで、ほぼ日本全国で見られます。雄は翅の地色が黄色のみですが、雌には黄色と白色の2つの型が存在します。前翅表面の外縁は黒い帯状になっており、その中に地色と同じ色の斑紋が並んでいるのが特徴です。後翅表面の中央には橙色の斑紋があり、裏面中央には銀色の斑紋があります。翼開長は約50mmで、3月から11月頃に出現します。幼虫で越冬し、早春に羽化します。日当たりのよい公園、明るい草地、農地、畑、河原などでよく見られ、シロツメクサなどのマメ科植物がある場所なら、あらゆる場所に広く分布しています。

近縁種：ミヤマモンキチョウ

同じシロチョウ科の近縁種として、ミヤマモンキチョウ（Colias palaeno）が知られています。ミヤマモンキチョウは、ユーラシア大陸西部から東部、北アメリカ大陸北部に広く分布し、モンキチョウよりも寒冷な地域に適応しています。日本では、本州中部の限られた山岳地帯にのみ生息しており、環境省のレッドリストで準絶滅危惧種に指定されています。ミヤマモンキチョウは年1回夏に発生し、幼虫はクロマメノキ（ツツジ科）の葉を食べます。

モンキチョウは、その鮮やかな黄色い翅で、私たちの身近な自然を彩る美しいチョウです。マメ科植物が豊富にある場所では、比較的容易に観察することができます。

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