モンスター・パニック

映画『モンスター・パニック』の解説

『モンスター・パニック』（原題：Humanoids from the Deep）は、1980年に公開されたアメリカのホラー映画で、漁村を襲う半魚人たちとそれに対抗する村人たちの戦いを描いています。この映画は、モンスター・パニックというジャンルを代表する作品として知られています。

概要

この映画では、サケ漁を主要産業とするアメリカ太平洋岸の小さな港町で起こる異常事態が描かれます。町は毎年恒例の「サケ祭り」の準備に忙しいですが、今年は祭りを前に幼い子供や飼い犬が無惨な形で殺される事件が発生します。この恐怖の影は、祭りの最中にさらに大きくなるのです。

あらすじ

物語は、ペギーとジェリーというカップルが行方不明になるところから始まります。ペギーは海岸で発見されますが、その海岸には半魚人と呼ばれる怪物が出現していました。地元のリーダーであるジムとジョニーは、必死に怪物に立ち向かいます。彼らは無事に怪物を撃退し、残骸を海洋生物学者のドレイク博士の研究所に持ち帰ります。調査の結果、怪物たちは特殊なホルモン入りのエサを食べた魚が突然変異したものと判明します。

祭りの夜、半魚人たちが再び襲来し、町は瞬く間に混乱に陥ります。村人たちはこの恐ろしい怪物たちから自分たちの故郷を守るために団結します。彼らの勇気と恐怖、そして絶望の中で物語はクライマックスを迎えます。

製作背景

本作の製作は長い道のりを経て実現しました。監督には当初ジョー・ダンテが予定されていましたが、彼は辞退し、バーバラ・ピータースが監督に就任しました。しかし、ピータースによる映像は観客の心を打つものには欠けていたため、ジェームズ・スバーデラッティが過激なシーンを挿入することになりました。

ここで興味深いのは、バーバラ・ピータースがショッキングな内容—半魚人による女性へのレイプや出産のシーンの撮影を拒否した点です。結果として、撮影の一部は男性監督のジミー・T・ムラカミが代行し、クレジットには彼の名前は記載されませんでした。これは当時の制作現場における性別に関する複雑な問題を浮き彫りにしています。

音楽とリリース

そして、音楽は後に大物作曲家となるジェームズ・ホーナーが担当しましたが、この映画が彼のキャリアの初期にあたるという点も注目すべきです。

DVDは2003年に発売され、ベストセラーに。さらに、2018年にはBlu-ray版もリリースされ、日本語吹替えも収録されています。

リメイク

映画は1996年にTV映画としてリメイクされ、日本では『D.N.A.V』という邦題でリリースされました。

総括

『モンスター・パニック』は、単なるモンスター映画にとどまらず、社会的な問題や観客の恐怖心と向き合う作品でもあります。観客は劇中の緊迫した状況を通じて、普遍的な恐怖と勇気、そして人間の本質に触れることができるでしょう。

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