モンセラート (ブエノスアイレス)

モンセラート

モンセラートはアルゼンチンの首都ブエノスアイレスの東部に位置する地区で、住民数は約43,560人です。この地区はブエノスアイレスの中心業務地区（CBD）の東側の2/3を占めており、公共施設や歴史的な建物が数多く存在しています。モンセラートは、ブエノスアイレス市庁舎、カーサ・ロサーダ（大統領官邸）、国立ブエノスアイレス小学校など重要な施設が密集したエリアです。また、五月通りがこの地区を横断し、五月広場とコングレシオナル広場をつないでいます。このあたりはブエノスアイレスで最も古い地域でもあり、その歴史は1580年のブエノスアイレス設立にまでさかのぼります。

地理と歴史

モンセラートの名は、カタルーニャ地方の修道院「モンセラート」に由来しています。旧城区は1594年に建設されたオーストリアのフアン・バルタサール要塞に端を発し、イエズス会がこの地域に活躍したことにより、その文化的な重要性が高まりました。1734年に奉献された聖イグナティウス・ロヨラ教区教会は、この地域に現存する最古の教会です。当時この地区には、他に類を見ない教育機関が存在しており、植民地時代のブエノスアイレスでは唯一、真正な古典教育を提供していました。

18世紀後半、カタルーニャ系の移民が流入するとともに、地区の名称が「モンセラート」と改名され、1769年に正式に名付けられました。ブエノスアイレスは急成長を遂げ、経済が発展するにつれて、社会構造や文化も多様化していきました。19世紀に入ると、1810年の五月革命の中心地となり、地域の政治的な役割も増し、五月広場には象徴的な五月のピラミッドが建てられました。

近代化と発展

以降の70年間でモンセラートは大きな変革を迎え、1875年以降に急速な経済成長が見られ、地域の景観も一新されました。かつての海岸の泥濘地は埋め立てられ、石畳の町割りも現代化が進みます。1884年、二つの広場は結合されて五月広場となり、カーサ・ロサーダの完成をもって新たな時代の幕開けを迎えました。以後、近代的な建物が次々と建設され、市民生活を一変させました。

1950年代に入ると、周辺道路の拡張によりモンセラートは複数の地域に分断されました。これにより、部分的に商業や中流階級の居住者は他のエリアへと移り住み、モンセラートはボヘミアン地域として知られるようになりました。タンゴ演奏者やアーティストたちが流入し、その後隣接するサン・テルモ地区同様、歴史的建築物や魅力的な街路は観光客を引きつける要素となりました。1990年代以降、この地区には新しい関心が高まり、1993年にはインターコンチネンタル・ホテルが開業しました。

現在、モンセラートはスペイン系コミュニティの象徴でもあり、多くのスペインレストランや社交クラブが点在しています。これらの施設は、地元のスペイン文化と深く結びついており、地域の文化的魅力を一層高めています。モンセラートは豊かな歴史を持つエリアとなり、観光名所としての地位を確立しています。

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