モンテノッテの戦い

モンテノッテの戦い

モンテノッテの戦いは、1796年4月12日に開催され、フランス革命戦争の一部としてナポレオン・ボナパルト将軍の指導の下に展開されました。この戦闘はイタリア方面軍とウジェーヌ・ギヨーム・アルジャントー少将指揮下のオーストリア軍間で行われ、結果的にはフランス軍が勝利を収め、オーストリア軍およびピエモンテ・サルデーニャ軍の連携を破壊しました。この戦いは、ミレシモやデゴの戦闘に向けた足がかりとなります。

戦いの背景

1796年のはじめ、ボナパルトはイタリア方面軍の司令官に任命され、早速その職務を開始しました。当時、フランス軍は、かつての106,000人から63,000人へと減少していました。士気の低下が見られる中、兵士たちは給料の遅れや装備不足に 苦しんでいました。一方、オーストリア軍も新たな指揮官ヨハン・ペーター・ボーリュー元帥が任命され、組織が整っていない状況でした。

ボナパルトは、フランス軍の分断を狙い、リグーリア海岸沿いに進出してオーストリア軍とピエモンテ・サルデーニャ軍を切り離す作戦を計画しました。しかし、コッリ少将（ピエモンテ-サルデーニャ軍の指揮官）とボーリュー元帥は互いに行動がうまく連携できていない状態でした。これらの状況により、フランス軍は優位に立つことができました。

戦闘の展開

4月9日、フランス軍は四つの師団に分かれて指揮され、ボナパルトの指示の下に動きました。オーストリア軍の部隊は分散しており、ボーリュー元帥は彼らの強力な攻撃を支援するための準備を進めていました。しかし、指揮官同士の連携不足と部隊の分散により、戦況は不利に進展しました。

4月11日、アルジャントー少将の部隊がフランス軍の前線を攻撃しましたが、その攻撃は失敗に終わりました。フランス軍の軍勢が増強され、偏った補給の中で持ちこたえたことで、オーストリア軍は劣勢に立たされました。

翌日、モンテ・ネジーノでの戦闘が開始され、フランス軍の大砲がオーストリア軍に向けて発砲し、圧力をかけ続けました。ボナパルトはその機を逃すことなく、マセナ師団を動かし、アルジャントー少将に対する攻撃を決行しました。オーストリア側は混乱し、フランス軍は進攻を続け、最終的にはオーストリア軍の中央部を粉砕する結果となりました。

結果とその影響

モンテノッテの戦いは、ボナパルトにとってこのイタリア戦役における初の戦果であり、彼の名声を一気に高めるものでした。アルジャントー少将は部隊のほぼ全滅を報告し、オーストリア軍は大きな損害を被りました。オーストリア軍の死者は約166名、負傷者は114名、行方不明者は416名に上りました。フランス軍は少ない損失で済んだものの、戦闘の厳しさを物語っています。

この勝利によって、ボナパルトはオーストリア軍とサルデーニャ軍を完全に分断する戦略を推進することが可能となり、次の作戦へと進みました。その後続くミレシモ、デゴの戦いではさらに有利な立場を築くこととなります。

この戦いはナポレオン戦争の記念すべきひと幕であり、戦略的思考と即座の対応が戦局を大きく変えることを示す事例となりました。

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