モンテ・アルジェンターリオ

モンテ・アルジェンターリオは、イタリア共和国トスカーナ州グロッセート県に位置する、人口約12,000人の基礎自治体です。その地形的な特徴と歴史、そして現代の姿を詳しく見ていきましょう。

地理

位置

グロッセート県の南部に位置し、ティレニア海に突き出した半島にあります。県都グロッセートから南へ約40km、州都フィレンツェから南へ約150km、首都ローマからは西北西に約124kmの距離に位置しています。沖合にはトスカーナ群島のジリオ島やジャンヌートリ島が浮かび、美しい景観を形成しています。

隣接コムーネ

隣接するコムーネは、オルベテッロのみです。

地勢

モンテ・アルジェンターリオは、ティレニア海に突き出した半島に位置し、かつては島でしたが、アルベーニャ川と海流によって運ばれた土砂が堆積し、本土と陸続きになりました。この半島部分は、プロモントリオ・デッラルジェンターリオと呼ばれています。本土側からは３本の砂州が伸びており、このうち西北側のGiannella砂州と東南側のFeniglia砂州の2本が、プロモントリオと本土を結んでいます。

砂州に囲まれた場所には、オルベテッロ潟と呼ばれる潟湖があり、中央の砂州と堤防によって、西側のLaguna di Ponenteと東側のLaguna di Levanteの二つに分かれています。プロモントリオは山がちで、最高峰はPunta Telegrafo（標高635m）です。海岸線は岩石が多く、入り江や小さな港が点在しています。

気候分類と地震分類

気候分類では、zona C, 1399 GGに属し、温暖な気候が特徴です。地震リスク階級では、zona 4 (sismicità molto bassa)に分類され、地震のリスクは低いとされています。

行政

分離集落

モンテ・アルジェンターリオには、二つの主要な分離集落があります。プロモントリオの北西部に位置するポルト・サント・ステーファノと、南東部のポルト・エルコーレです。コムーネの役所は、ポルト・サント・ステーファノに置かれています。

歴史

古代

この地には、古代エトルリア人が居住していたと考えられています。ローマ時代には、ポエニ戦争でローマに資金を貸し付けたDomitii Aenobarbi家が、その見返りとしてこの地を得ました。現在の地名であるArganteriiは、この貸し手の名前に由来するとされています。4世紀には、コンスタンティヌス1世によって教会に寄進されました。

中世・近世

中世にはアウレリア街道の衰退とともに、この地の人口も減少しました。プロモントリオは、アルドブランデスキ家、オルシーニ家、ナポリ王ラディズラーオ1世、シエーナの所領へと変遷し、16世紀の終わりにはスペイン領となりました。スペイン人は、ポルト・サント・ステーファノとポルト・エルコーレを要塞化し、プレシディ領の拠点としました。ポルト・エルコーレは、画家カラヴァッジオが最期を迎えた地としても知られています。1646年には、オルベテッロの戦いがオルベテッロ潟周辺で行われました。

近代・現代

ナポレオンの敗北後、1715年にトスカーナ大公国領となり、1860年のイタリア統一までその支配下にありました。第二次世界大戦中には激しい爆撃を受け、多くの住民が犠牲となりました。ポルト・サント・ステーファノの港は破壊され、1950年代になって再建されました。しかし、オルテベッロとの間を結んでいた鉄道が再建されることはありませんでした。

社会

人口

モンテ・アルジェンターリオの人口は、長年にわたって変動が見られます。

文化・観光

分離集落であるポルト・エルコーレは、「イタリアの最も美しい村」クラブのメンバーであり、観光地としても人気があります。歴史的な建築物と美しい自然が調和した景観は、多くの観光客を魅了しています。

交通

道路

主要な道路として、国道SS440が通っています。

鉄道

かつては、ポルト・サント・ステーファノとポルト・エルコーレ、オルベテッロを結び、ピサ＝リヴォルノ＝ローマ線に接続する鉄道路線がありましたが、第二次世界大戦で破壊され、その後再建されることはありませんでした。オルベテッロの駅は現在、「オルベテッロ＝モンテ・アルジェンタリーオ駅」という名前で残っています。

まとめ

モンテ・アルジェンターリオは、その美しい自然、歴史的な背景、そして魅力的な港町が織りなす独特の雰囲気を持った場所です。訪れる人々を魅了し続けるこの地は、イタリアを代表する観光地の一つと言えるでしょう。

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