モントリオール国際音楽コンクール

モントリオール国際音楽コンクール（仏: Concours musical international de Montréal, 英: Montreal International Musical Competition, 略称: MIMC）は、カナダのケベック州モントリオール市を舞台に開催される、若手音楽家のための国際的な演奏会形式のコンクールです。対象となるのは、世界の将来を担う声楽家、ヴァイオリニスト、そしてピアニストたちです。

概要と特徴

このコンクールの最大の特徴は、対象分野が年ごとに変わる点にあります。声楽、ヴァイオリン、ピアノの3つの分野の中から、毎年いずれか一つの部門が集中的に開催されます。これにより、各分野に特化した才能の発掘と育成を目指しています。

沿革

モントリオール国際音楽コンクールは、2002年にその第一回が開催されました。これ以前にも同名のコンクールが存在しましたが、2002年に始まったものは完全に新しい取り組みとして位置づけられています。コンクールの主催は、カナダ青少年音楽財団（Jeunesses Musicales Canada）が務めており、モントリオール交響楽団やカナダ放送協会など、カナダ国内の主要な音楽機関やメディアからの協賛を得ています。創設から間もない2004年には、国際音楽コンクール世界連盟に加盟し、国際的な舞台におけるその地位を確立しました。

過去の開催と主な入賞者

2002年の創設以来、モントリオール国際音楽コンクールは多くの優れた若手音楽家を輩出してきました。各年の開催分野と主な入賞者、特に第1位受賞者および日本人入賞者は以下の通りです。

第1回（2002年、声楽）: 初代第1位はカナダのメアシャ・ブリュッガーゴスマンが受賞しました。
第2回（2003年、ヴァイオリン）: ベルギーのヨシフ・イワノフが第1位となりました。
第3回（2004年、ピアノ）: ウクライナのセルゲイ・サロフが第1位を受賞しました。
第4回（2005年、声楽）: 第1位は韓国のシン・ニュン・ファンでした。
第5回（2006年、ヴァイオリン）: 韓国のチンジュ・チョウが第1位に輝きました。この回では、日本から参加した神尾真由子が第5位に入賞しています。
第6回（2007年、声楽）: カナダのマリアンヌ・フィセが第1位を受賞しました。
第7回（2008年、ピアノ）: 第1位はアルメニアのナレ・アルガマニャンでした。日本の高田匡隆が第2位（共同）に入賞しました。
第8回（2009年、声楽）: アメリカのアンジェラ・ミードが第1位となりました。
第9回（2010年、ヴァイオリン）: アメリカのベンジャミン・バイルマンが第1位を受賞しました。
第10回（2011年、ピアノ）: イタリアのベアトリス・ラナが第1位に輝きました。
第11回（2012年、声楽）: カナダのフィリップ・スライが第1位となりました。
第12回（2013年、ヴァイオリン）: ベルギーのマルク・ブシュコフが第1位を受賞しました。
第13回（2014年、ピアノ）: オーストラリア/アメリカのジェイソン・ギルハムが第1位となりました。
第14回（2015年、声楽）: 韓国のキョンウ・キムが第1位を受賞しました。
第15回（2016年、ヴァイオリン）: 日本の辻彩奈が第1位に輝き、日本人としてこのコンクールで初の第1位となりました。同じく日本の吉田南も第3位に入賞しました。
第16回（2017年、ピアノ）: ハンガリーのゾルターン・フェイェールヴァーリが第1位となりました。
第17回（2018年、声楽）: この回はアリアと歌曲の二つの部門に分かれて開催され、アリア部門では韓国のマリオ・バーグが、歌曲部門ではアメリカのジョン・ブランシーがそれぞれ第1位を受賞しました。
第18回（2019年、ヴァイオリン）: 第1位はアメリカのハオ・チョウでした。日本の毛利文香が第3位に入賞しました。

モントリオール国際音楽コンクールは、これらの輝かしい入賞者たちをはじめ、多くの若手音楽家にとって国際的なキャリアをスタートさせるための重要な登竜門としての役割を果たしています。分野をローテーションさせる独自の形式により、幅広い才能に機会を提供し続けています。

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