モーガン・クイットノー

モーガン・クイットノー社の概要

モーガン・クイットノー（Morgan Quitno Press, Co.）は、アメリカ合衆国カンザス州ローレンス市に本社を置く調査企業です。1989年に設立されたこの会社は、毎年全米の州や都市に関するさまざまなランキングを発表し、出版しています。その対象は教育、医療、犯罪など広範囲にわたり、得られたデータは施政者やメディア、研究機関など多くの利用者に重宝されています。また、優れた結果を収めた州や都市は、同社のプレスリリースを通じて正式に表彰されています。モーガン・クイットノーは2007年にCQプレス社の傘下に入り、この年以降の『全米の安全/危険な都市』ランキングはCQプレス社から発行されています。

主な出版物

モーガン・クイットノー社の代表的な出版物には以下のようなものがあります。

1. State Rankings: 1990年にスタートしたこのランキングは、農業、交通、医療、財政、犯罪、社会福祉といった多角的な視点から各州を評価します。最も住みやすい州には「Most Livable State」の称号が与えられます。

2. Health Care State Rankings: 1993年から行われるこのランキングは、医療及び健康に特化した評価を行い、最も健康な州として「Healthiest State」を選出します。

3. Crime State Rankings: 1994年開始のこのランキングは、主に治安に関連した調査を行います。最も安全な州は「Safest State」として表彰され、逆に最も危険な州には「Most Dangerous State」のレッテルが貼られます。

4. City Crime Rankings: 同じく1994年に開始された都市を対象としたランキングで、全米の都市の治安を評価します。最も安全な都市には「Safest City」の称号が与えられ、危険とされる都市には「Most Dangerous City」が名付けられます。

5. State Trends: 2004年から年刊化されたこの報告書では、各州の生活環境の変化を長期間にわたって追跡評価し、最も改善された州が「Most Improved City」として表彰されます。

全米の安全（危険）な都市ランキング

モーガン・クイットノー社のランキングの中でも特に注目を集めているのが、「全米の安全な都市」ベスト25およびワースト25です。これらのランキングは、全米人口75,000人以上の都市および都市圏を対象としており、以下の6つの犯罪を基に評価されます：

• - 殺人
• - 強姦
• - 強盗
• - 傷害
• - 自動車窃盗

これらの犯罪について、連邦捜査局（FBI）のデータを利用し、それぞれの発生率を算出し、全国平均に対する多寡をもとに都市・都市圏の犯罪率を導き出します。

ランキングの課題

注意が必要なのは、一部の都市ではデータが不足しているため、ランキングから除外される可能性があることです。また、イリノイ州の一部の都市に関しては、見解の違いからデータがランキングに含まれないこともあります。さらに、ランキングに反映される数値は前々年のデータに基づいているため、実態との間に時間差が生じることも少なくありません。

歴代のワースト1都市

数々のランキングの中で、特に悪名高い都市も存在します。これまでのワースト1に名を連ねた都市には、デトロイトやセントルイス、ニューアークなどがあり、これらの都市は実際の治安の厳しさがデータによって証明されています。

日本における反響

日本国内でも1996年に報道された「全米の危険な都市」のランキングは、特に注目を浴びました。アトランタがワースト1に位置していたことや、バトンルージュが日本人留学生射殺事件の影響で注目を浴びたことが話題を呼んだのです。これらのデータは、従来「危険」とされていた大都市において、実際の犯罪率が必ずしも高くないことを示す証拠ともなりました。


モーガン・クイットノー社のランキングは、さまざまな角度からアメリカの社会情勢を映し出す手段として、今後も注目され続けることでしょう。

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