モーニングアフター

1986年、アメリカで公開されたサスペンス映画『モーニングアフター』。シドニー・ルメット監督が手がけた本作は、ジェーン・フォンダとジェフ・ブリッジスの共演により、多くの観客を魅了しました。特にジェーン・フォンダは、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされるなど、高い評価を得ています。

物語は、目を覚ますと見知らぬ部屋にいて、隣には死体が横たわっているという衝撃的な場面から始まります。主人公のアレックスは、人気カメラマンのボビーの自宅兼スタジオで、彼の死体を見つけます。彼女はパニックに陥り、現場から逃走しますが、なんとボビーの死体が彼女の部屋で見つかり、アレックスは殺人容疑で指名手配されてしまうのです。

身に覚えのない罪を着せられたアレックスは、自身の無実を証明しようと奔走します。別居中の夫ジャッキーや、偶然出会った元刑事のターナーの協力を得て、事件の真相解明に挑む彼女。しかし、調査を進めるにつれて、想像をはるかに超える複雑な状況が明らかになっていきます。

本作の見どころは、何と言ってもジェーン・フォンダの圧倒的な演技力です。彼女は、酔いつぶれて目覚めた混乱、殺人容疑をかけられた恐怖、そして事件の真相に迫るにつれて変化していく複雑な心理を、繊細かつ力強く演じきっています。彼女の表情、仕草、言葉の一つ一つに、観客は引き込まれていきます。

また、ジェフ・ブリッジス演じる元刑事ターナーとの交流も重要な要素です。彼は、アレックスを疑いつつも、彼女のひたむきな姿に次第に心を動かされていきます。二人の関係は、事件の謎解きだけでなく、人間ドラマとしても大きな魅力となっています。

さらに、本作は、当時の社会問題にも触れている点が注目されます。女性の立場、メディアの報道姿勢、そして正義の定義など、現代社会においても深く考えさせられるテーマが散りばめられています。

『モーニングアフター』は、ミステリアスな展開と、人間ドラマの深み、そしてジェーン・フォンダの素晴らしい演技が三位一体となった、見応えのあるサスペンス映画です。予想外の展開と衝撃的なラストは、観終わった後も長く心に残るでしょう。一度鑑賞すると、その余韻に浸り、何度も繰り返し観たくなる作品です。

1991年には、日本でもテレビ放送され、多くの視聴者を魅了しました。もし機会があれば、ぜひ劇場公開版、もしくはテレビ放送版で、この傑作を鑑賞してみてください。きっと、忘れられない映画体験になるはずです。

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