モーリス・リッシュ

モーリス・リッシュ（Maurice Risch）は、1943年1月25日にパリで生まれたフランスの俳優です。

経歴

彼はフランス国立高等演劇学校で演劇を学び、1966年に現代劇で1等賞、古典劇で2等賞を獲得して卒業しました。卒業後、ブールヴァール劇場でたちまち成功を収めます。

その才能が、喜劇俳優ルイ・ド・フュネスの目に留まり、彼の主演映画である『パリ大混戦』（1966年）や『グランド・ヴァカンス』（1967年）に出演する機会を得ました。1978年からは、『ルイ・ド・フュネスのサントロペシリーズ』にレギュラーの憲兵役として参加し、シリーズの最後の2作に出演しています。

モーリス・リッシュは、パスカル・トマ、イヴ・ロベール、ジェラール・ウーリー、クロード・コンフォルテなど、様々な監督の作品に出演しました。また、『Le Führer en folie 狂った総統』（1972年）や『Mon curé chez les Thaïlandaises 主任神父様とタイ女たち』（1983年）といった、いわゆるB級映画にも出演しています。

彼は主に準主役や脇役としての出演が多かったものの、ジャン＝マルク・ライゼの漫画を原作とした映画『Gros Dégueulasse 最低野郎』（1985年）では主役を演じました。1970年代には、ジャック・ヴィルレと容姿が似ていたことから、テレビのコメディ番組で人気を二分し、特に映画『トルチュ島の遭難者』では彼と共に兄弟役を演じています。

並行して、よりシリアスな作品にも出演しており、モーリス・ピアラ監督の『Nous ne vieillirons pas ensemble 我々は一緒には老いない』（1972年）、フランソワ・トリュフォー監督の『終電車』（1980年）、ベルトラン・ブリエ監督の『Beau-père 義父』（1981年）などがあります。

1980年代中盤以降、「典型的フランス映画」の終焉とともに、モーリス・リッシュは次第に映画のスクリーンから姿を消し、その活動の舞台を演劇へと移していきました。

もう一度検索