ヤガミトール

ヤガミ トール（樋口 隆）

ヤガミ トール（本名：樋口 隆）は、1962年8月19日生まれ、日本のミュージシャンとして広く知られています。彼は群馬県高崎市出身で、ロックバンドBUCK-TICKのドラマーとしての地位を築いてきました。初期の活動では「TOLL」と表記されていましたが、以後は「ヤガミ トール」として知られています。愛称は「アニイ」で、多くのファンに親しまれています。

来歴

ヤガミは1977年に中学生の頃、同級生たちと共にキャロルのコピーバンド「シャウト」を結成しました。しかし、18歳の時にバンドは解散します。その後は鉄筋工として働きながら、アマチュアバンドでドラムを叩いていました。この頃、音楽は彼の趣味の範囲でありましたが、21歳の時にはプロ志向のバンド「SPOTS」に誘われ、再び音楽活動を開始しました。1985年には、そのバンドの解散ライブを経て、BUCK-TICKに参加することになります。

BUCK-TICKに加入した後、彼はメンバーとしてのキャリアを続け、1995年に結婚しましたが、8年後に離婚。その後、2006年に再婚を果たしました。40歳を目前に控え体力面を心配し引退を考えていた彼ですが、42歳を過ぎた頃からジムに通うようになり、50歳を過ぎてからは体幹を鍛えることで叩き方を変えました。現在は、激しい演奏を行っても頭の位置を変えないスタイルを実現しています。

人物

ヤガミ トールはBUCK-TICKのベーシスト、樋口豊の実兄で、4人姉弟の次男という家庭環境も影響しています。長兄は若い頃に亡くなっており、そのためヤガミは兄の代わりにドラマーとして活動することを決意し、芸名を選んだとされています。音楽においては、タイトで正確なドラミングスタイルが特徴であり、特にデジロック期においてもそのリズム感覚は際立っています。

ヤガミは過去に2曲の作詞を手掛けており、スケジュールの都合で櫻井敦司の負担を減らすために行ったものでした。現在でもメンバー内では唯一、本名を使っていない彼は、髪型においてもデビュー当時からのスタイルを守っています。これは、バンドに対する外部の評価や批判に対する一種の反発でもありました。

また、ヤガミはソロ活動も行っており、『Yagami Toll & The Blue Sky』名義で数枚のCDをリリースしています。ファンとしてキャロルに強い影響を受け、レッド・ツェッペリンのドラマー、ジョン・ボーナムへの熱狂的な敬愛を示し、さまざまな音楽イベントに参加しています。

音楽性

ドラマーとしての特徴は、TOM TOMの深さがなく、常に顔が見えるスタイルであることです。また、使用するバスドラムのサイズが異なるというユニークなセッティングがなされており、レコーディングでは様々なドラムメーカーの製品をミックスして演奏しています。ライブパフォーマンスでは、彼の使うドラムは80年代から90年代初頭にかけてはPearlが主流でしたが、その後はLudwigやGretschを使用しています。このセッティングにおいても、ヤガミの個性が光ります。

彼の演奏スタイルや音楽への情熱は、多くの若手ドラマーたちにとってインスピレーションの源となっており、特にジョン・ボーナムに関する講座が飲み会で行われることからも、彼の影響力が伺えます。音楽に対する情熱と家族との絆を持ちながら、ヤガミは今なお新たな挑戦を続けています。

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