ヤギェウォ朝

ヤギェウォ朝の概要

ヤギェウォ朝（Dynastia Jagiellonów）は、ポーランド、リトアニア、ボヘミア、ハンガリーを支配した王朝であり、1386年にリトアニア大公ヨガイラとポーランド女王ヤドヴィガの結婚を契機に成立しました。この王朝は、ポーランド王として1386年から1572年、リトアニア大公として1377年から1392年、1440年から1572年まで、さらにはハンガリー王として1440年から1444年、1490年から1526年、ボヘミア王として1471年から1526年にかけて存在しました。

歴史的背景

ヤギェウォ朝の前は、ピャスト朝が1370年のカジミェシュ3世の死によって途絶え、その後アンジュー朝のラヨシュ1世がポーランド王ルドヴィクとして即位しました。しかし、ルドヴィクが1382年に死去すると、彼の末娘ヤドヴィガ（当時11歳）がポーランド王位を継承します。1386年、ヤドヴィガはリトアニア大公ヤギェウォ（後のヴワディスワフ2世）と結婚し、夫はキリスト教に改宗し王朝の名をヤギェウォ朝としました。この結婚を通じて、リトアニア全土も1387年までにキリスト教に改宗しました。

ヴワディスワフ2世と王朝の成長

ヤドヴィガの死後、ヴワディスワフ2世が単独での統治を開始し、これが35年以上にわたる安定した治世となります。この期間、ポーランドとリトアニアの連携が深化し、両国間の連携の基盤が築かれました。ヴワディスワフ2世は、ヨガイラの異教徒としての側面を背負いながら、リトアニア大公国を形成したゲディミナス朝の後裔でもありました。

ヤギェウォ朝の君主たち

ヤギェウォ朝には、多くのポーランド王が誕生しました。ヴワディスワフ3世、カジミェシュ4世、ヤン1世、アレクサンデル、ジグムント1世、ジグムント2世、最後にアンナがそれぞれ在位しました。特にヴワディスワフ2世は、この王朝の始まりを告げる重要な君主でありました。

また、ヤギェウォ朝からはハンガリー王やボヘミア王に即位する者も現れましたが、1572年には王朝は断絶しました。

ヤギェウォ朝の影響

ヤギェウォ朝が支配していた時期は中世後期から近世初期にかけての時代であり、この王朝は中東欧の政治や文化に大きな影響を与えたとされています。特に、ポーランドとリトアニアの合同は、地域の歴史において重要な出来事となりました。

最終的に、この王朝の終焉は、ヨーロッパ全体に影響を与える様々な歴史的変動の一環であり、ポーランド、リトアニア、さらには中東欧全体の歴史に不可欠な要素となりました。

もう一度検索