ヤスマニ・コペロ

ヤスマニ・コペロ・エスコバル：トルコ陸上界の先駆者

ヤスマニ・コペロ・エスコバル（Yasmani Copello Escobar）は、1987年4月15日生まれの陸上競技選手です。キューバで生まれ育ちましたが、後にトルコ国籍を取得し、現在はトルコ代表として国際舞台で活躍しています。彼の専門は400mハードルであり、その驚異的なスピードとハードリング技術で数々の輝かしい成績を収めてきました。

キューバからトルコへ

コペロはキューバ時代にも、中米カリブ選手権などの国際大会でメダルを獲得するなど、その才能を発揮していました。しかし、世界大会への出場は叶いませんでした。2012年4月25日にトルコに移住し、2013年10月21日にトルコの市民権を取得。2014年4月30日からは、晴れてトルコ代表として競技に参加できるようになりました。

世界への挑戦

2015年8月、北京で開催された世界選手権男子400mハードルで、コペロはこの種目においてトルコ勢初の出場を果たしました。予選では48秒89、準決勝では48秒46と、それまでの自己ベストを大幅に更新し、決勝に進出。決勝では48秒96で6位入賞を果たし、メダルには届かなかったものの、その存在感を世界に示しました。

ヨーロッパチャンピオン、そしてオリンピックメダリストへ

2016年7月、アムステルダムで開催されたヨーロッパ選手権男子400mハードル準決勝で、コペロは48秒42のトルコ新記録（当時）を樹立。決勝ではタイムを落としたものの、唯一の48秒台となる48秒98をマークし、スペインのセルヒオ・フェルナンデス、前回覇者のスイスのカリム・フセインらを抑えて見事金メダルを獲得しました。これは、ヨーロッパ選手権の男子短距離種目（ハードルを含む）において、トルコが初めて獲得した金メダルという快挙でした。

同年8月、リオデジャネイロオリンピック男子400mハードルでは、トルコ勢初の準決勝進出を決め、さらに準決勝も突破。2年連続で世界大会の決勝に進出しました。決勝では、自己ベストを大幅に更新する47秒92のトルコ新記録を樹立し、カーロン・クレメント、ボニフェス・ツムティに次いで銅メダルを獲得。オリンピックの男子トラック種目において、トルコが初めて獲得したメダルとなりました。

世界選手権での銀メダル

2017年8月、ロンドン世界選手権男子400mハードルには、今季世界ランク5位の48秒24という記録で臨みました。予選、準決勝を順当に突破し、3年連続で世界大会の決勝に進出。決勝では、カールステン・ワーホルムに僅か0秒14及ばず、48秒49で2位となり、惜しくも優勝は逃しましたが、2年連続で世界大会のメダルを獲得しました。これは、世界選手権の男子トラック種目において、トルコが初めて獲得したメダルとなりました。

ヤスマニ・コペロが残したもの

ヤスマニ・コペロ・エスコバルは、トルコ陸上界に数々の金字塔を打ち立てました。彼の活躍は、トルコの陸上競技のレベル向上に大きく貢献し、次世代の選手たちに夢と希望を与えています。彼の名は、トルコのスポーツ史に永遠に刻まれることでしょう。

主な記録

400mハードル：47秒81（トルコ記録）
2016年リオデジャネイロオリンピック：銅メダル
2017年ロンドン世界選手権：銀メダル
2016年アムステルダム・ヨーロッパ選手権：金メダル

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