ヤットデタマン

『タイムボカンシリーズ ヤットデタマン』

『タイムボカンシリーズ ヤットデタマン』、英語名「Firebird」は、1981年2月7日から1982年2月6日までフジテレビで放映された、タツノコプロ制作のアニメです。この作品は全52話が放送され、主に毎週土曜日の18:30から19:00の枠で放送されていました。

概要

本作は、『タイムボカンシリーズ』の第5作目です。特徴的なのは、ヒーローが従来の男女2人組ではなく、男性1人である点です。また、動物型メカに代わって自我を持つ人型の巨大なロボット「大巨神」が登場し、これが大きな見どころの一つとなっています。この大巨神には、「偏平足を気にする」「義理人情に厚い」「涙を流したり汗をかいたりする」といった人間らしい個性が与えられています。これにより、視聴者に新しい感覚を提供し、タカトクトイとのタイアップの影響も受け、多くの玩具が人気を博しました。

悪役トリオは前作に比べて増員され、5人編成となりました。容姿や口調も大きく変わり、全体的にデザインのリニューアルが施されています。また、物語のアプローチが変化し、恒例の「お仕置き」が「大激怒」に置き換えられるなど、よりダイナミックな展開が期待できるようになりました。

ストーリー

物語は、私立探偵事務所で助手として働く少年ワタルと少女コヨミのもとに、未来から訪れたカレン姫がタイムマシンでやってくるところから始まります。カレン姫はナンダーラ王国の王女であり、王位継承のために時空を越えたフクロウの「ジュジャク」を探し出す必要があったのです。彼女はワタルとコヨミに手助けを頼みますが、一方でナンダーラ王国を狙う悪役の一味もおり、彼らを妨害しようとします。ワタルはヤットデタマンに変身し、大巨神と共に敵の企みを阻止していく展開が特徴です。

登場キャラクター

1. 時 ワタル (とき ワタル)
15歳の少年で、遠山探偵事務所の助手。ドジで臆病だが、時折見せる勇気が印象に残る。彼の変身した姿「ヤットデタマン」は、自信に満ちた紳士的な口調に変わり、さまざまな武器で戦う。

2. 姫栗 コヨミ (ひめくり コヨミ)
15歳の少女で、ワタルの助手。勝気な性格で、時にはワタルを尻に敷く。普段は力強い存在でありながら、彼女自身もいくつかの試練を経験する。

3. カレン姫 (カレンひめ)
ナンダーラ王国の王女で、ワタルとコヨミの遠い子孫。運動神経が抜群で、意外な特技を持っている。

4. 大巨神 (だいきょじん)
ワタルたちが召喚する巨大ロボット。自我を持ち、人間っぽい感情を示す。特に「偏平足」に敏感で、そのことに関しての悪口には激怒してしまう。

5. ミレンジョ姫 (ミレンジョひめ)
王位継承を企む悪役キャラクター。彼女は何にでも興奮し、時には不適切な発言をすることもあり、ストーリーに緊張感をもたらす存在です。

登場メカ

• - 大巨神

敵と戦うための巨大ロボットで、ワタルとコヨミが力を合わせて召喚します。その姿は圧巻で、強力な武器を駆使して悪と戦います。

• - タイムカーゴ

カレン姫専用のタイムマシンで、ユニークなデザインと共に、人とメカが一体となって時空を旅します。

音楽

主題歌「ヤットデタマンの歌」は山本正之によって作曲され、アニメのオープニングとして親しまれています。この歌にはキャッチーなメロディが特徴で、視聴者に鮮烈な印象を残す要素となりました。

製作

本作は、制作にあたり多くの才能あふれるスタッフが結集し、今でも愛される作品となりました。ユーモアと感動を兼ね備えた『ヤットデタマン』は、アニメのヒーローの在り方に新たな風を吹き込んだともいえるでしょう。

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