ヤプーズ計画

ヤプーズ計画について

『ヤプーズ計画』は、1987年12月16日にテイチク-BAiDiSレーベルからリリースされた、ヤプーズ名義による初めてのオリジナル・アルバムです。このアルバムは、メンバー全員の創作活動を反映した作品であり、戸川純の個人名義からバンド名義への移行を象徴しています。

アルバムの変遷

本作は、アルファレコードからテイチクへ移籍した後に発表されました。収録曲の作曲は、戸川を除くメンバーの5人がそれぞれ2曲ずつ担当し、バンド全体の音楽性が色濃く表れています。

2009年には、芸能生活30周年を記念して、6SHM-CD＋3DVD構成のボックス『TEICHIKU WORKS JUN TOGAWA〜30TH ANNIVERSARY〜』がリリースされ、オリジナルの10曲に新たに「バーバラセクサロイド（シングル・ヴァージョン）」と「セシル・カット」が追加され、計13曲が収録されました。この際、音源はリマスタリングされ、紙ジャケット仕様で再登場しました。

その後、2012年には本作を含む4作品が再度SHM-CD/紙ジャケット仕様で発売され、その際には椎名宗之による作品解説が封入されました。

収録曲の解説

アルバムには「バーバラ・セクサロイド」、「キスを」、「肉屋のように」など、多彩な楽曲が収められています。特に「バーバラ・セクサロイド」はヤプーズのイメージソングとして期待され、未表記でありながら収録されたアルバム・ヴァージョンが印象的です。戸川自身が作詞した「肉屋のように」は、ドイツの連続殺人犯にインスパイアされたタイトルですが、実際の歌詞は極端な恋愛感情を描写しています。

他にも、「Daddy the Heaven」や「ラブ・クローン」などの楽曲では、当初は社会的なテーマを考慮していましたが、後に別の視点に切り替えられたことが特徴です。「コレクター」は映画からタイトルを借用し、深いテーマを持っています。また「労働慰安唱歌」では、貧困層の労働をテーマにした歌詞が展開され、運営上の配慮から国名を伏せました。

メンバーと制作

ヤプーズのメンバーには、戸川純（ボーカル）、泉水敏郎（ドラム）、中原信雄（ベース、シンセサイザー）、比賀江隆男（ギター、シンセサイザー）、小滝満（シンセサイザー）、吉川洋一郎（シンセサイザー）が揃っています。プロデュースはバンド自身によって行われ、多様な音楽性を発揮しています。

このアルバムは、音楽だけでなく、歌詞やメッセージ性でも聴く人に強い印象を与え、今もなお多くのファンに愛され続けています。ヤプーズの音楽は時代を超えてリスナーの心に響き、その後の音楽シーンにも影響を与え続けています。

もう一度検索