ヤマトより愛をこめて

『ヤマトより愛をこめて』 - 沢田研二の名曲の軌跡

『ヤマトより愛をこめて』は、日本の音楽シーンにおいて独自の地位を築いた曲で、歌手・沢田研二の24枚目のシングルとして1978年8月1日にポリドール・レコードからリリースされました。この楽曲は、劇場用アニメ映画『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』のエンディングテーマになったことで、多くのファンの心に刻まれています。

背景と制作

この曲の作詞は著名な作詞家阿久悠が担当し、作曲は大野克夫が行いました。実は、最初の段階では宮川泰が作曲を試みましたが、プロデューサーの西崎義展が気に入ることができず、作曲がボツにされてしまいました。その後、大野に新たに頼み直すこととなりました。最終的には、大野が作曲し、宮川が編曲を担う形で完成されました。

1978年8月10日には、沢田自身のLP『今度は、華麗な宴にどうぞ。』にシングルバージョンが収録され、その後のベストアルバム『Royal Straight Flush 1971-1979』でも別バージョンが披露されました。そのバージョンにはエレキギターが加わり、後奏が短縮されています。この別バージョンが劇場映画『さらば宇宙戦艦ヤマト』で使用されたことで、より多くの人々に知られることとなりました。

また、1978年に日本コロムビアからリリースされたサウンドトラック『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち 音楽集』や『ドラマ編』では、沢田のボーカルが使用できなかったため、インストゥルメンタルや西崎による朗読が収録されています。そして、1980年にはささきいさおによるカバーバージョンも登場し、こちらは『宇宙戦艦ヤマト 主題歌ヒット曲集』に含まれています。オリジナル版が『宇宙戦艦ヤマト』関連のアルバムに収録されたのは、2000年にコロムビアファミリークラブから発売された『松本零士音楽大全』が初めてです。

2017年には、新たにアニメ『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』第一章が公開され、本楽曲が再びエンディングテーマとして使用されることになりました。この上映を記念して、YouTube上では当時の音源を用いたプロモーションビデオも公開され、多くのファンの記憶を呼び起こしています。

商業的成功と記録

発売から3週目にはオリコンのベスト10に初めて登場し、最高位は4位という好成績を記録しました。音楽番組『ザ・ベストテン』でも6週にわたりランキングに入り、最高2位を獲得するなど、その人気は非常に高かったことが伺えます。

収録内容

このシングルの収録曲は、全て作詞を阿久悠、作曲を大野克夫が担当しています。

• - ヤマトより愛をこめて（4分43秒）・編曲：宮川泰
• - 酔いどれ関係（3分19秒）・編曲：船山基紀

カバー作品

西崎義展（1978年、ドラマ編に収録）
同志社学生混声合唱団（1995年）
ささきいさお（1995年）
緒方恵美（2007年）
高見沢俊彦（2008年）
山寺宏一（2017年）

このように、『ヤマトより愛をこめて』は沢田研二の楽曲の中でも特に知られる作品であり、愛のメッセージを送り続ける名曲として、多くのリスナーに親しまれてきました。

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