ヤマハハコ

ヤマハハコ（学名：Anaphalis margaritacea）は、キク科ヤマハハコ属に分類される多年草です。和名に「ハハコ」と付きますが、ハハコグサとは別属の植物です。ヤマハハコは雌株と雄株がある雌雄異株の植物です。

特徴

草丈は30cmから70cm程度に成長し、茎は灰白色の綿毛で覆われています。葉は柄がなく、茎に互い違いに生え、線状披針形をしています。葉の表面は光沢のある緑色ですが、裏面は茎と同様に灰白色の綿毛が密生しています。葉脈は3本あり、葉の縁は全縁で、わずかに裏側に巻き込む性質があります。

花期は8月から9月にかけてで、茎の上部に淡黄色の頭花を散房状に咲かせます。花びらのように見える白い部分は、実際には総苞片と呼ばれるもので、カサカサとした質感を持っています。この総苞片が、ヤマハハコの特徴的な外観を形作っています。

分布と生育環境

ヤマハハコは、日本では北海道から本州の中部地方以北に分布しています。国外では、千島列島、樺太、カムチャツカ半島、中国、ヒマラヤ、北アメリカなど、北半球の広い範囲に分布しています。山地の日当たりの良い草原や、崩壊地、道路法面などに群生しているのが見られます。

近縁種

ヤマハハコ属には、以下の種類があります。

ホソバノヤマハハコ
カワラハハコ
タカネヤハズハハコ
ヤハズハハコ

これらの近縁種も、ヤマハハコと同様に白い総苞片を持つものが多く、見分ける際には葉の形や生育環境などを考慮する必要があります。

ヤマハハコはその美しい姿から、ドライフラワーなどにも利用されます。

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