ヤマハ・FZ400R

ヤマハFZ400R/N：歴史的名車の系譜

ヤマハFZ400Rは、XJ400Zをベースに開発されたレーサーレプリカモデルとして、1984年5月に誕生しました。同時期に発売されたネイキッドバージョンのFZ400Nと合わせて、高い人気を博した名車です。

走行性能とデザイン

FZ400Rは、XJ400Zの水冷エンジンをベースに、クラス最高峰のパワーを誇る59馬力を発揮。スチール製角パイプフレームと、フロント16インチ、リア18インチのタイヤを組み合わせることで、軽快なハンドリングを実現しました。峠道やサーキットでの走破性を重視した設計は、多くのライダーを虜にしました。

一方、FZ400Nはアップハンドル化などの変更が施され、扱いやすさと実用性を両立。その優れた基本性能から、1984年から1987年にかけて、多くの自動車教習所で教習車として採用されました。教習車仕様はFZ400K（1984～1986年）およびFZ400R-L（1987年）として、それぞれ専用のカラーリングが採用されました。

両モデルのデザインは、当時ヤマハのデザインを手がけていたGK Dynamicsによるもので、洗練されたフォルムが特徴的です。FZ400Rの丸目2灯のヘッドライトを配したハーフカウルは、その美しい造形で高い評価を獲得しました。

モデルバリエーションと進化

FZ400Rは、発売から1987年まで、主に3つのモデルチェンジを経て進化を続けました。

初代モデル（1984年5月）は、特徴的な紺と白のツートンカラーに赤いストロボラインを配したデイトナカラーで登場。低音から高音まで響き渡るエキゾーストノートも魅力の一つでした。

2代目モデル（1986年3月）では、エアロミラーの採用やアルミ製ハンドルへの変更、ホイールのホワイト塗装など、細部の改良が施されました。また、カラーバリエーションも追加され、青と白のツートンカラーも登場しました。マフラーの音質も、初代モデルに比べてマイルドな設定となりました。

3代目モデル（1987年10月）では、フルフェアリングとシングルシートカバーが標準装備となりました。カラーリングも刷新され、黒とガンメタリックのツートンにゴールドとホワイトのラインが入ったニューヤマハブラックが追加されました。

FZ400R/Nの遺産

FZ400R/Nは、優れた走行性能と洗練されたデザイン、そして教習車としての採用など、様々な側面から多くのライダーに愛されたモデルです。その高い人気は、後継モデルであるFZR400の登場後も長く販売が継続されたことからも伺えます。現在でも、その美しいデザインと高い完成度から、多くのファンを魅了し続けています。

ヤマハFZ400R/Nは、日本のモーターサイクル史において重要な位置を占めるモデルと言えるでしょう。その歴史と魅力は、現在でも多くのライダーに語り継がれています。

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