ヤマハ・RD50

ヤマハRD50：軽量・高性能2ストロークの軌跡

ヤマハRD50は、1973年からヤマハ発動機が製造販売した、49ccの空冷2ストローク単気筒エンジンを搭載したオートバイです。軽快な走りとスタイリッシュなデザインで人気を博し、日本のバイク史に名を刻むモデルとなりました。

欧州市場からの導入と日本市場への展開

RD50のルーツは、1972年5月から販売されていたFX50というモデルにあります。当初は欧州市場向けの輸出仕様車として販売されていましたが、1973年にRD50と名称を変更。翌1974年には、フロントブレーキをディスクブレーキに変更するなど改良を加え、日本市場にも投入されました。これは、50ccクラスでは初のディスクブレーキ採用となりました。

日本市場向けRD50の進化

日本国内で販売されたRD50は、道路運送車両法施行規則の第一種原動機付自転車に該当し、国内生産されました。発売後、5回のマイナーチェンジが行われ、そのうち1978年のマイナーチェンジは特に大規模なものとなりました。エンジン、サスペンション、ブレーキ、タイヤサイズなどが新設計され、性能が大きく向上しました。

1974年モデル(機種コード：481)では、アイビーグリーンとシルバーダストの2色がラインナップされました。その後もカラーリングやデザイン、安全装備の充実を図るマイナーチェンジを繰り返し、1977年には、当時の50ccクラス最大光量の25ワットヘッドライトや新型フラッシャーランプを採用するなど、夜間走行時の安全性が向上しました。

1978年モデル(機種コード：2U2)では、大幅な改良が加えられ、エンジン、サスペンション、ブレーキ、タイヤサイズなどが新設計されました。ニューホワイトとカーマインレッドの2色がラインナップされました。同年、軽量なキャストホイールの採用も実現。これは、自動二輪車用軽合金ホイール技術基準の認可が下りたことによるものです。RD50SP(機種コード：2W1)として、キャストホイール、新デザイン、角形バックミラー、角形フラッシャーランプなどを追加したモデルが発売されました。

さらに1980年モデル(機種コード：4M9)では、CDI点火装置、パワーレバー、リヤブレーキの摩耗インジケーター、大型フラッシャーレンズなど、最新の技術を取り入れました。

後継車と派生車種

RD50の後継車種は、1981年5月14日に発表されたRZ50です。RD50の基本設計を受け継ぎながら、よりスポーティなモデルとして進化を遂げました。また、RD50をベースにした派生車種として、ヤマハスポーツRD90も存在しました。

ブラジル市場での展開

ブラジル市場でもRD50は生産・販売されました。ブラジル政府のオートバイ完成車輸入禁止政策を受け、ヤマハ発動機は現地法人を設立し、サンパウロ郊外に工場を建設。1974年10月10日から稼働したグアルーリョス工場で、RD50(機種コード：502)が最初の生産車種となりました。ブラジル仕様は、日本仕様とは異なるデザインや仕様で販売されていました。1978年には、RD75に生産が切り替わり、RD50の生産は終了しました。

まとめ

RD50は、その軽快な走りとスタイリッシュなデザイン、そして継続的な改良によって、長きにわたって愛されたモデルです。50ccクラスながら、時代の技術を取り入れながら進化を遂げたRD50は、日本のバイク史において重要な位置を占める一台と言えるでしょう。 その歴史は、日本のバイク文化発展の一端を物語っています。

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