ヤマハ・RZ

RZシリーズオートバイの歴史

概要

RZシリーズは、かつてヤマハ発動機が製造していたオートバイのラインアップで、主に250ccと350ccのモデルが存在しました。このシリーズは1980年代の若いバイク文化に大きな影響を与え、数々の革新的な技術が採用されました。

RZ250シリーズ

RZ250 (4L3)

初代RZ250は1980年に発売され、RDシリーズの後継車として位置づけられました。このモデルは、北米での排出ガス規制の影響を受けた結果、最後の2ストロークスポーツバイクとして開発されました。排気量250ccの水冷2ストローク並列2気筒エンジンを搭載し、当時のレーサーTZと同じボア・ストロークを持ち、高出力の35psを発揮しました。オートバイ専門誌で紹介され話題になり、発売直後から3か月待ち続出の大ヒット作となりました。初期型は「日の丸カラー」と呼ばれる美しいパールホワイトのデザインで、魅力的な外観とともに、走行性能も高く評価されました。

RZ250R (29L)

1983年にはRZ250Rが発売され、標準装備のビキニカウルやタンク容量の拡大、そしてYPVS（ヤマハ・パワーバルブシステム）の採用が特徴です。この排気デバイスにより出力は43psに向上し、さらにフロントブレーキもダブルディスク化され、性能が一新されました。
安定性を高めるためのフレーム設計も施され、高速コーナーの挙動が改善されました。

RZ250RR (51L)

1984年に登場したRZ250RRは、エンジン性能の向上が見込まれ、オプションでフルカウルやシングルシートの選択も可能でした。パワージェットキャブレターを採用し、出力は業界自主規制の上限である45psに達しました。このモデルは、さらに洗練されたデザインが取り入れられ、レース志向の強い仕様が評価されました。

その他のモデル

その後もRZ250シリーズは進化を続け、1986年にはマイナーチェンジが行われ、最終的にはRZ250R (3HM)が登場。その後RZシリーズは生産終了を迎えましたが、標準的な250ccオートバイとしての特長を持ち、2ストロークスペックモデルとしての遺産を残しました。

RZ350 (4U0)

350ccのRZ350は1981年に発売され、主に250ccとの違いは排気量に加えて、フロントダブルディスクブレーキやオイルポンプの改良が行われました。これにより、より高いパフォーマンスが実現され、「ナナハンキラー」としての異名も持つことになりました。多くのユーザーは、この350モデルを改造して楽しむことが一般的でしたが、原型のまま残る車両は少なくなっています。

RZ125およびRZ50

RZ125は1982年に登場し、比較的短期間でTZR125にモデルを移行しました。一方でRZ50は1981年に発売され、1998年にはネイキッドスタイルとして復活しました。いずれのモデルも、RZの名を冠し、バイク文化において重要な役割を果たしました。

結論

RZシリーズは、ヤマハのオートバイ技術の進化を象徴するモデル群であり、特に2ストロークエンジンの魅力を多くのライダーに届けました。これらのモデルは、今もなおバイク愛好家の心に残り続けています。

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