ヤマハ・SRV250

ヤマハ SRV250/S/Tとルネッサ：伝統と革新のVツインスポーツ

ヤマハ発動機が1992年から1997年にかけて製造・販売したSRV250は、空冷4ストロークV型2気筒エンジンを搭載したオートバイです。ビラーゴシリーズのエンジンをベースに、ツインキャブレターの採用などにより、最高出力を向上させています。特徴的なのは、ヤマハVツイン初となるオーソゴナルエンジンマウント方式の採用です。また、マフラーには楽器技術者も開発に関わった多段膨張反転式マフラーを採用するなど、細部までこだわった設計となっています。スタイリッシュなデザインはGKデザインによるもので、燃料タンクにはヤマハのフラッグシップモデルにのみ使われるゴールドのエンブレムが輝きます。

SRV250：伝統と性能の融合

1992年4月の発売当初、SRV250はダークシアンメタリック2、ダークパープリッシュブルーメタリック2、エンプレスマルーンの3色展開で、メーカー希望小売価格は449,000円でした。1993年にはマイナーチェンジを行い、カラーバリエーションの変更やシート高の調整などの改良が加えられています。

さらに、カスタムモデルとしてSRV250Sも登場しました。SRV250Sは、タンクカラーの変更、メーターバイザーの装着に加え、ハンドルバーを25mm低く設定することでよりスポーティなライディングポジションを実現しています。リアサスペンションにはサブタンク付きショックアブソーバー、メーターにはミニバイザーが装備されました。

ビジネスユースをターゲットにしたSRV250Tも存在します。こちらはセンタースタンドと大型リアキャリアを装備し、郵便配達など業務用途にも対応できる仕様となっています。

ルネッサ：カフェレーサーの魂

1996年には、SRV250をベースにカフェレーサー風にデザインされた派生車種、ルネッサが登場しました。ホイールをアルミからスチールに変更、キャスター角の変更、フラットハンドルの採用など、SRV250とは異なる走りを目指した設計となっています。また、タコメーターや燃料コックのオフ機能が省略された点も特徴です。初期モデルではエンジンやマフラーが黒で統一されていましたが、1997年モデルからはシルバー塗装に変更されました。さらに、新車購入時に3週間で指定色に塗装できるカラーオーダーシステムも導入されました。

SRV250シリーズとルネッサの共通点と相違点

SRV250シリーズとルネッサは、どちらもクラシカルなデザインと高い走行性能を両立したモデルとして高い評価を得ていました。しかし、販売台数の伸び悩みや強化される規制への対応などが課題となり、生産終了となりました。


SRV250は発売当時、大々的なプロモーション活動が行われ、プロモーションビデオが制作され、販売店でも放映されました。「持って楽しい、乗って楽しい、磨いて楽しい」というコンセプトのもと、エンジン周りの磨き上げなど、高級感あふれる仕上がりとなっています。ワンメイクレースが開催されるなど、高い走行性能も証明されています。

SRV250、SRV250S、SRV250T、そしてルネッサ。これらのモデルは、ヤマハの技術力とデザイン性を凝縮した、個性豊かなオートバイとして、今もなお多くのファンを魅了し続けています。

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