ヤマヒロのアナ Pod cafe

「ヤマヒロのアナ Pod cafe」は、関西テレビ放送がiTunesを通じて配信していたインターネットラジオ番組（ポッドキャスト）です。同局のポッドキャスト企画第2弾として位置づけられ、2007年 1月5日から2012年 7月31日まで、およそ5年半にわたって多くのリスナーに親しまれました。

番組の構成と出演者

番組の核となるパーソナリティを務めたのは、当時関西テレビのアナウンサーであり、「ヤマヒロ」の愛称で知られる山本浩之氏です。山本氏一人ではなく、番組制作に関わる同局のスタッフが複数参加し、共に番組を進行しました。特に、男性スタッフ2名、KさんとWさんは事実上の「相方」として、山本のトークを引き出す重要な役割を担いました。中でもWさんは、山本氏と同期入社であり、時には山本氏以上の存在感を示し、番組のファンからも人気を集めていました。

番組は基本的に、山本氏とスタッフが、リスナーから寄せられたメールを読みながら進行しました。リスナーからの質問に答えたり、山本氏の代名詞とも言える「ヅラネタ」など、ユーモアを交えたフリートークが展開されました。時には、スタッフが山本氏を「いじる」ような発言をし、山本氏がタジタジになったり、冗談めかして怒ったりする場面も見られ、親しみやすい雰囲気を醸し出していました。

また、不定期ではありましたが、関西テレビの他のアナウンサーがゲストとして出演し、トークに加わることもありました。藤本景子アナウンサーが登場する機会が比較的多かったようです。

配信体制と主なエピソード

番組は隔週金曜日の夜に2〜3本まとめて収録され、その内容が毎週火曜日にiTunesで配信されるという体制でした。定期的な配信を続けることで、リスナーは毎週新しいエピソードを楽しむことができました。

番組は配信開始から間もなく注目を集めました。2007年2月5日には、iTunes Storeのポッドキャスト総合ランキングで27位、さらにテレビ/映画カテゴリーでは2位にランクインしました。これは、インターネットラジオ番組としては高い評価と言えます。

リスナーとの積極的な交流も番組の特色の一つでした。メールを通じて質問やメッセージを募集し、番組内で紹介・回答するスタイルが基本でしたが、リスナーからのメールには、前述の「ヅラネタ」に関連して「頭髪には気を付けて下さい」といった、時にユーモアあふれる、時には少し「余計な一言」が添えられることもあり、それが番組の笑いを誘う一因となりました。

企画としては、2007年11月には「ヤマヒロのアナ Pod cafe 2007年ベスト作品」と題したリスナー投票企画が実施されました。また、2012年4月には、公募で集まったリスナーと共に「大人のバスツアー」を敢行。これは当初2月に計画されていましたが、山本氏の東日本大震災被災地取材のために延期されたものです。バスツアーでは、国民休暇村南あわじを訪れ、そこで番組の出張収録も行われるなど、リスナーとの絆を深める企画となりました。

さらに、番組の目玉イベントとして、2度にわたる公開収録が行われました。一度目は2010年12月、「アナPod オープン cafe」と題して関西テレビ本社1階のエントランス広場で実施。公開収録の模様は、前説を含めUSTREAMでも生配信されました。二度目は最終回間近の2012年7月27日、「アナPod オープン cafe リターンズ」として再び同じ場所で行われました。この最終回の公開収録には、ゲストとして村西利恵アナウンサーと豊田康雄アナウンサーが出演し、番組の最後を彩りました。公開収録の様子は初回と同様にUSTREAMで生配信され、会場に来られない多くのリスナーもオンラインで見守りました。

番組の終焉とその後

多くのリスナーに惜しまれつつ、番組は2012年 7月31日をもって終了しました。しかし、番組終了後もその人気は根強く、2014年12月24日には、番組終了から2年が経過したにも関わらず、山本氏が古巣である関西テレビ本社内の扇町スクエアにて「X'mas トーク&ディナーショー」を開催。かつてのリスナーやファンが集まり、番組の思い出を語り合いました。

「ヤマヒロのアナ Pod cafe」は、インターネットラジオという媒体の特性を活かし、パーソナリティとスタッフ、そしてリスナーが一体となって作り上げた、アットホームで笑いの絶えない人気番組でした。そのユニークなスタイルと、山本氏を中心とした出演者たちの飾らないキャラクターが、多くの人々に支持されました。

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