ヤロポルク・イジャスラヴィチ (シュムスク公)

ヤロポルク・イジャスラヴィチは、12世紀に活躍したルーシの公の一人です。ヴォルィーニ・イジャスラフ家の祖であるイジャスラフの子として、1143年頃または1147年に生まれたと推定されています。彼はブジスク公、そしてシュムスク公の地位を歴任しました。

ヤロポルクが生きた時代は、ルーシの内戦が激化した時期でした。彼は、1159年に兄弟のムスチスラフらと共に、スモレンスク公ロスチスラフの遠征軍に参加し、トゥーロフ公ユーリーと戦いました。さらに、1161年には、ロスチスラフの軍に加わり、キエフ大公イジャスラフに対して戦っています。このように、ヤロポルクはキエフ大公位を巡る争いに深く関与しました。

1166年には、チェルニゴフ・オレグ家のスヴャトスラフの娘マリヤと結婚しました。この結婚は、ヤロポルクの政治的な立場を強化するのに役立ったと考えられます。

ヤロポルクの子とされるヴァシリコ・ヤロポルコヴィチという人物が史料に登場します。もしヴァシリコがヤロポルクの子であれば、ヤロポルクは1143年以前に生まれていたことになります。しかし、ヴァシリコをウラジーミル・モノマフの子である別のヤロポルクの子とする説もあります。

ヤロポルクの没年は1168年3月7日または1170年とされています。彼の生涯は、ルーシの内戦という激動の時代を反映しており、その政治的な活動は、当時の勢力争いを理解する上で重要な要素となっています。

参考文献
* 中澤敦夫, 吉田俊則, 藤田英実香「『イパーチイ年代記』翻訳と注釈(6) : 『キエフ年代記集成』（1159〜1172年）」『富山大学人文学部紀要』第66巻、富山大学人文学部、2017年2月、191-296頁

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