ヤロポルク2世

ヤロポルク2世（1082年 - 1139年2月18日）は、古ルーシの時代にスモレンスク公、ペレヤスラヴリ公を歴任し、後にキエフ大公として君臨した人物です。彼の父はウラジーミル・モノマフであり、母はハロルド2世の娘ギータでした。

1132年、ヤロポルク2世は兄ムスチスラフ1世の跡を継いでキエフ大公位に就きました。しかし、彼の治世は決して平穏なものではありませんでした。当時のルーシは、ウラジーミル・モノマフの一族間における内紛が絶えず、政情は不安定でした。さらに、チェルニゴフ地域を拠点とするスヴャトスラフ一門の勢力拡大が、この状況に拍車をかけました。

スヴャトスラフ一門は、ヤロポルク2世の大伯父にあたり、当時のルーシの相続原則からすれば、彼らにもキエフ大公位を主張する正当な権利がありました。そのため、ヤロポルク2世の治世において、スヴャトスラフ一門は常に潜在的な脅威として存在し、政権の安定を揺るがす要因となりました。

また、この混乱に乗じて、ポロツク公国が勢力を盛り返しました。ポロツク公国は、以前はキエフ大公国に従属していましたが、中央政権の弱体化を好機と捉え、独立性を高める動きを活発化させたのです。

ヤロポルク2世の治世は、内紛と外圧に苦しめられた時代であり、その後のルーシの分裂と衰退を予感させるものでした。彼の時代は、統一国家としてのルーシが徐々に崩壊していく過程を示す重要な時期と言えるでしょう。

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