ヤンヤンムウくん

ヤンヤンムウくん

ヤンヤンムウくんは、1973年から1976年にかけてNHKで放送された幼児向けの人形劇コーナーです。この番組は「おかあさんといっしょ」の一環として毎週土曜日の後半に放送されました。15分間という短い時間の中で、赤い体を持つムウくんという元気な熊の男の子が、歌や寸劇を通して視聴者との楽しいひとときを演出しました。

制作背景と目的

ヤンヤンムウくんは特に2歳児を対象とし、その感情や社会性を育むことを意図して制作されました。子供たちが日常生活で接することのできる自然環境や季節に応じたテーマを取り入れ、親子が一緒に楽しみながら学べる場を提供することを目指していました。この番組は、情操教育の難しさから、当時の幼児教育番組の中でも特に重要な地位を占めていました。

ムウくんのキャラクターと歴史

ムウくんは、かつては「できるかな」の前身にあたる「なにしてあそぼう」という工作番組において、ノッポさんとのコンビで活動していました。この番組が終了した後、3年のブランクを経て、再び主役として登場することとなりました。ムウくんの声優は、当初の松島みのりから、増山江威子や堀絢子に交代しました。

初めてムウくんが登場したのは、1965年の夏休み特番「仲よしボンゴ」の中で放送された5分間の人形劇でした。この時、彼の赤い体は視覚的に認識しやすく、カラーテレビ放送の実験番組の一環でもありました。

放送の記録と保存

残念ながら、NHKアーカイブスによると、ヤンヤンムウくんの映像は現存していないことが確認されています。放送時に使用されていた2インチテープは非常に高価で、収録されたテープは次回の放送や別の番組の収録へと再利用されました。そのため、マスターテープが失われてしまいました。現在、NHKは過去の番組を収集するために、制作関係者や一般視聴者に対してビデオテープの提供を呼びかけています。

主題歌とスタッフ

番組の主題歌「ヤンヤンムウくん」は、高見映による作詞、越部信義による作曲と編曲で、眞理ヨシコや堀絢子が歌っています。制作スタッフには、人形制作の川本喜八郎をはじめ、音楽を担当した越部信義や宮崎尚志、演出を手がけた北村達也など、優れた才能が揃っていました。

まとめ

ヤンヤンムウくんは、教育テレビとしての役割を果たしながら、子供たちに楽しい体験を提供した番組でした。その過去の名作として、今なお多くの人々の記憶に残っています。幼児教育について考えるうえでも、彼の存在は忘れてはならない重要なものなのでしょう。

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