ユニオン議会 (バングラデシュ)

ユニオン議会の概要

ユニオン議会（英：Union council）は、バングラデシュにおける最小レベルの地方政府であり、主に農村地域において地域行政を担う組織です。各ユニオン議会は通常、1つの村を基盤にしており、9つの選挙区から構成されています。バングラデシュ全土には、4,562ものユニオン議会が存在し、それぞれの議会は議長と12人の議員（そのうち3人は女性）で成り立っています。ユニオン議会は2009年に施行された地方政府（ユニオン・パリシャド）法に基づいて設立されたもので、行政活動を通じて地域の発展に寄与しています。

歴史

「ユニオン」という言葉の起源は1870年に制定された村落チョウキダリ法に遡り、その中では村における警察機能を維持するための徴税組織としてユニオン・パンチャヤットが整備されました。バングラデシュの独立後の1971年には、その名称がユニオン議会に改められ、1973年には正式にユニオン・パリシャドと呼ばれるようになりました。1976年には地方政府令が施行され、選挙で選ばれた議長や議員からなる現在の形式が確立され、1983年の法令の改訂によって議員の構成が明確になりました。2009年に施行された現在の法律によって、ユニオン議会の権限や機能がさらに強化されています。

選挙制度

ユニオン議会の議員や議長は、5年ごとに実施される成人による直接選挙で選出されます。特に女性議員の3議席は各選挙区ごとに1名が選ばれる形をとっており、これはすべて直接選挙によって行われます。候補者はバングラデシュの市民であり、ユニオン内の有権者登録が必要です。ユニオン議会の選挙は、バングラデシュ選挙委員会が実施し、選挙において不信任動議が提出される場合、最高執行機関のウパジラ・ニルバヒ・オフィサーに管理されます。

権限と機能

ユニオン議会は法人格を持ち、地域の法と秩序を維持するための様々な権限を有しています。社会における経済発展や地域計画の策定、福祉サービスの提供など直接的な責任があり、これにより地域住民の日常生活に大きな影響を与えています。また、議会は市民憲章を公表し、提供するサービスの詳細を明確にすることが求められています。

裁判権

ユニオン議会の議長には、特定の軽犯罪について裁判を実施する権限があります。これには、税金の不払いや環境問題、公共の交通に対する妨害などが含まれます。このような権限によって、ユニオン議会は地域社会の法律の遵守を促進しています。

財政

ユニオン・パリシャドは、ユニオン・ファンドと呼ばれる独自の資金源を持ち、主に税金や料金、地代、政府からの補助金などで構成されています。これによりユニオン議会はその機能を果たすための資金を確保し、地域の発展に寄与する活動を行っているのです。

結論

このように、ユニオン議会はバングラデシュの地域社会において重要な役割を果たしており、その行政機能や権限は地域における発展と市民の福祉向上に直結しています。

もう一度検索