ユニジャンクショントランジスタ

ユニジャンクショントランジスタ（UJT）について

ユニジャンクショントランジスタ（Uni-junction transistor、略称UJT）は、電子部品として非常に重要な役割を果たす半導体デバイスです。このトランジスタには、基本的なUJTとプログラマブルUJT（PUT）の2種類が存在します。

UJTの構造と特徴

元々のUJTは、棒状のN型半導体にP型半導体が結合された構造を持っています。日本では、このUJTは2SHという型番で分類され、例えば2N2646などの型があります。このデバイスは、1つの接合のみを持つため「ユニジャンクション」という名前が付けられました。UJTには3つの端子があり、エミッタ（E1）と2つのベース端子（B1、B2）から構成されます。エミッタは濃度の高いP型半導体でできており、ベース端子は低濃度ドープのN型シリコンバーから成っています。エミッタが開いている状態でのB1とB2の間の抵抗は「インターベース抵抗」と呼ばれます。

プログラマブルUJT（PUT）

一方、プログラマブルUJT（PUT）は、サイリスタに似た特性を持つデバイスです。PUTは4つのPN接合を持ち、アノードとカソードがそれぞれ最初と最後の層に結合しており、ゲートはどちらか一方の層に接続されています。PUTは、元のUJTとは異なるものの、おおむね同様の機能を果たします。日本では過去にいくつかの型番が存在しましたが、特にNECのN13T1がよく使用されていました。

UJTとPUTの用途

UJTとPUTは、主にサイリスタ（SCRやトライアック）へのトリガーとして利用されます。これらのデバイスは、直流の制御電圧が増加することで、オンに接続されるタイミングが変化します。そのため、UJTやPUTを使用した回路は、特に大規模な交流の制御において重要な役割を果たします。UJTはエミッタ電流に対するエミッタ電圧のグラフにおいて負性抵抗領域を示し、この特性がデバイスの有用性に寄与しています。

現在の状況

現在、日本製のUJTは2SH型番を含めてすべて廃品種となってしまいましたが、UJTやPUTは依然として特定の応用において必要とされています。これらのデバイスは、特にオーディオ機器やモーター制御、ライティングシステムなど、多様な用途で活用されています。

ユニジャンクショントランジスタは、そのシンプルな構造と効果的な機能により、電子回路において非常に価値のある部品であるといえるでしょう。

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