ユニバーサル・モータウン・レコード

ユニバーサル・モータウン・レコード（Universal Motown Records）は、かつてアメリカ合衆国に存在したレコードレーベルです。

往年の名門モータウン・レコードの現代的な後継レーベルとしての側面を持ち、ユニバーサル・ミュージック・グループ（UMG）内で主に「アーバンミュージック」分野、すなわちR&B、ヒップホップなどを管轄する役割を担っていました。しかし、「アーバン」という区分に留まらず、ロック系のアーティストも多数擁していました。

その設立は2005年に遡ります。これは、既存のモータウン・レコードが、当時ユニバーサル・レコードに所属していたアーバン系アーティスト部門と統合された結果生まれたものです。この新設レーベルを率いたのは、かつてエレクトラ・レコードの最高経営責任者（CEO）を務めたシルヴィア・ローンでした。組織上は、この時期に新たに創設されたユニバーサル・モータウン・リパブリック・グループの傘下部門として位置づけられました。

活動期間中には、親会社であるモータウン・レコードが迎えた創立50周年（正式には2009年1月12日）を記念する大規模な事業が、2008年後半から本格的に展開されました。この50周年記念事業の一環として、ビルボードの各チャート（ポップ、R&B、ディスコなど）で1位を獲得したモータウンの楽曲を集めた豪華ボックスセット『The Complete No. 1's』が発売されたほか、モータウンのクラシック期における主要なアルバム作品がCDとして再リリースされるなど、多岐にわたる企画が実施されました。これらの記念リリースの中には、ユニバーサル・ミュージック・グループのカタログ部門との連携によって実現したものも含まれていました。これらの事業は、ユニバーサル・モータウン・レコードが、そのルーツであるモータウンの輝かしい歴史を現代に伝えるという重要な役割を担っていたことを示しています。

しかし、レーベルの存続期間は比較的短命でした。2011年、ユニバーサル・モータウン・リパブリック・グループ全体の組織再編が行われた結果、オリジナルのモータウン・レコードはユニバーサル・モータウン・レコードから独立し、アイランド・デフ・ジャム・ミュージック・グループへと移管・合併されました。この組織再編により、ユニバーサル・リパブリック・レコード（後に2012年後半にリパブリック・レコードと改称）は独立したレーベルとして存続することとなり、ユニバーサル・モータウン・リパブリック・グループ自体も事実上その役目を終え、閉鎖される運びとなりました。ユニバーサル・モータウン・レコードもこのグループ閉鎖に伴い、その活動を終えました。

ユニバーサル・モータウン・レコードは、短い期間ながらも、伝統あるモータウンの名を冠しつつ、21世紀におけるユニバーサル・ミュージック・グループのアーバンミュージック戦略の一角を担ったレーベルとして、その歴史に名を刻んでいます。

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