ユーカー

ユーカー（Euchre）

ユーカーはアメリカ合衆国を中心とした英語圏で人気のあるトランプゲームで、トリックテイキングの一種です。このゲームは特に切り札が存在するプレイン・トリックゲームとして知られており、手札は5枚と少なめであることが大きな特徴です。

歴史

ユーカーの起源はアルザス地方でプレイされていたユッカーシュピール（Juckerspiel）とされており、これは19世紀前半にドイツ系移民によりアメリカに持ち込まれたと考えられています。ユーカーという名称は、ギリシャ語の「eucharis」に由来し、聖餐（聖体）の意味を持ちます。かつてはアメリカ国民の間で非常に人気のあるゲームでしたが、現在は人気が落ち着いており、中西部を含むいくつかの地域で引き続きプレイされています。

ルール

ユーカーは通常、4人が2人ずつのパートナーを組んでプレイされます。ここでは、その基本的なルールを説明します。

使用するカード

ユーカーでは通常のトランプカードにおいて、2から6までを除いた32枚（ピケ・デック）を使用することが一般的です。8までを使用せず24枚でプレイする場合もあります。

カードの強弱は通常、切り札以外ではAが最も高く、次いでK、Q、J、10、9、8、7の順となります。切り札の場合、ジャックが最も強力で、これを「ライト・バウアー」と呼びます。その次に、切り札と同じ色のジャックが強く、「レフト・バウアー」と称されます。

プレイの流れ

ゲーム開始前、最初のディーラーを決定するためにカードを引きます。最も低いランクを引いたディーラーが役割を果たし、その後は時計回りに配られます。各プレイヤーには5枚ずつの手札が配られ、残りのカードは裏向きに置かれ、その中の1枚が「ターンアップ」として公開されます。

ターンアップされたカードのスートを切り札とするかどうかを各プレイヤーが選択し、全員がパスした場合は再度ディーラーが切り札を決定します。このとき、ディーラーはターンアップカードと手札の不要なカードを交換する機会があります。

初回のトリックは通常、ディーラーの左隣のプレイヤーがリードしますが、メーカーが単独で戦う場合はメーカー本人が先頭となります。ゲームは時計回りに進行し、通常のトリックテイキングゲームと同様のルールが適用されます。

スコアリング

スコアリングは、メーカー側が3トリックまたは4トリックを取った場合1点、全てのトリックを取る場合は2点または4点獲得する仕組みです。ディフェンダー側が3トリック以上を取ると、ディフェンダー側が2点を得るというルールになっています。ゲームはあらかじめ設定された得点（5点や10点など）に達した際に終了します。

バリエーション

ユーカーには多くのバリエーションが存在します。たとえば、ジョーカーを使用する場合があり、このカードは特に強い切り札として扱われます。2人用や3人用のゲームスタイルもあり、それぞれ異なるルールが適用されています。また、特にオーストラリアやカナダなどで楽しまれていることも特徴です。

ユーカーはその独特のルールとプレイ感から、数世代にわたり愛され続けているゲームです。今後も新たなバリエーションや楽しみ方が生まれることでしょう。

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