ユーモア・サイエンス学会

ユーモア・サイエンス学会：笑いの科学を探求する

ユーモア・サイエンス学会は、笑いとユーモアに関する学際的な研究を推進し、新たな学術領域の創出を目指す、日本で唯一の学術組織です。2007年の設立以来、多様な分野の専門家たちが集い、笑いのメカニズムや社会的な役割を多角的に研究しています。

学会の設立は、笑いの量を客観的に測定する「笑い測定機」の開発というユニークな試みに端を発します。この測定器を開発・普及させるため、2010年には特定非営利活動法人プロジェクトaHも設立されました。

会員と組織

学会会員は、その専門分野が非常に多岐に渡っています。社会学、医学、人類学、心理学、工学、言語学、教育学といったアカデミックな分野の研究者や大学院生はもちろんのこと、医師、芸人、保育士といった、実践的な立場からの知見を持つ人材も積極的に参加しています。異なる視点の融合が、ユーモア研究に深みと幅を与えていると言えるでしょう。

学会の運営の中枢には、会長、理事会がいます。初代会長は木村洋二氏であり、現在は関西大学人間健康学部教授で同大学ユーモア科学研究センター長の森下伸也氏が会長を務めています。他に、雨宮俊彦氏、関屋俊彦氏、濱裕光氏、北爪佐知子氏などが理事を務め、学会活動を支えています。学会事務局は、関西大学堺キャンパスに置かれています。

活発な活動

学会は、活発な研究活動を通じて、ユーモア科学の発展に貢献しています。主な活動としては、年に一度開催される学会大会（9月中旬頃）が挙げられます。この大会では、会員による研究発表や議論が行われ、最新の研究成果が共有されます。さらに、年に3回開催される研究会や、年始には「笑い講」も開催され、会員間の交流と研究の深化を図っています。

学会が発行する機関誌『笑いの科学』は、ユーモア研究の成果を広く社会に発信する重要な役割を担っています。年刊誌として発行され、会員の研究論文や学会大会の報告などが掲載されます。

研究分野と展望

ユーモア・サイエンス学会の研究分野は、笑いの生理学的メカニズムの解明から、ユーモアの社会文化的な役割、ユーモアと健康との関係、教育におけるユーモアの活用など、多岐に渡ります。

近年、ユーモアは健康増進や心のケアにおいても注目されており、学会の研究成果は、医療や教育、福祉といった様々な分野への応用が期待されています。ユーモア・サイエンス学会は、今後も、学際的な研究と積極的な情報発信を通じて、笑いの科学を深め、社会に貢献していくでしょう。その活動は、単なる学問にとどまらず、より豊かな社会の実現に繋がる可能性を秘めています。

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